たまには昔の作品も! 鈴木清順 「肉体の門」(1964年版) | 映画と音楽のある生活

映画と音楽のある生活

主に映画と昔聞いたレコードの感想などを書いています。

 アマゾンプライムで無料公開だったので、なんとなく視聴した。鈴木清順監督作品は「ツゴイネルワイゼン」と「陽炎座」を映画館で見たが、当時の自分には内容が呑み込めなかった。それ以外に知っているのは、アニメのルパン三世の制作にも関わっていた事くらいだ。当作は何度も映像化されたらしいが、他作を見たことも無い。

 ストーリーは、戦後間もない頃の売春婦4人組と米兵を襲撃した復員兵(宍戸錠)との関わりを通じて進んで行く。

 売春婦4人組は、それぞれカラフルな原色の服を着ており、焼け跡もスポットライトを当てる等、所々で舞台演出の様な効果を狙っており、ただ単に暗い敗戦直後のお話にはしていない。

 4人組の女優さんで、私が顔を知っているのは、主人公の野川由美子と松尾嘉代の二人だ。その後、野川由美子は時代劇の、松尾嘉代は、メロドラマ等のバイプレーヤーとして活躍している。

 宍戸錠も含め、登場人物が全員ギラギラしていて、画面から強いバイタリティを感じた。当時の日本人の方が、現代よりも戦争に負けて物は無いが活力に溢れていたのかもしれない。