岡山市にライブを聞きに行くのは2度目だ。前回も「上原ひろみ」だった。ソロライブの「スペクトラム」で、その時は岡山市民会館だった。このハレノワ劇場は、今年9月に開館したらしい。商業施設や住居もある複合施設だ。都会では、この様な再開発は珍しくないが、岡山市の様な地方都市だとどうなんだろう?
21年にはクラシックのコンチェルトとのコラボアルバムをリリースした彼女だったが、今回は原点(?)に戻って外国人とのジャズバンドとなっている。編成は、トランペット・ベースとドラムスだ。最初の1曲目と2曲目を聞くと、トランペットを前面に出したフュージョン(もう死語か?)っぽい曲調だった。
観客の90%以上は「上原ひろみ」を聞きに来ているのだから、ベースとドラムスの「トリオ」編成がいいのじゃないかと思った。
2曲目の後に、彼女の短めのMCだ。ツアーの先では必ず地元のラーメンを食べるというネタで観客をつかみながら、今回のアルバムのコンセプトを話す。決して喋りが上手な訳ではないが、言いたいことは十分伝わるし、むしろ好感が持てる。曲が終了する都度、バンドメンバーへ手を差し出しメンバーを立てる姿は、人柄の良さを感じさせる。
徐々に演奏も盛り上がり、彼女の「超絶技巧」も十分に楽しめた。片手でピアノ、もう一方の手でシンセサイザーを弾くと言った曲弾きや、ピアノの弦を手でミュートさせての演奏。突き指をするのではないかと心配になる激しいプレイ!肘打ちが出た時は
「イェー!」と声を上げた。
興味深かったのは、アンコールからだ。ツアーTシャツを着て
再登場するのは「お約束」だけれど、アンコール1曲目は彼女が一人で出てきてソロで静かめの曲を弾いた。アンコールだから最後はソロで終わりかと思ったら、バンドメンバーも全員出てきて最後の曲を演奏した。いい意味で力の抜けた楽しい演奏だった。
最後の曲が一番良かったと言うと、彼女のコアなファンに怒られるかもしれない。