吉田羊は、出演したドラマを見ると「2枚目も3枚目」も出来るし、
「ぴったんこカンカン」の様なバラエティ番組を見るとお笑い系も
出来るとても芸達者な役者さんだと思った。
「ぴったんこカンカン」で、ヒョウ柄の服を着てカツラを被って
関西のオバはんに扮してショートコメディを演じていたのを見て、
思わず大笑いしてしまった。同番組でも紹介されていたが、
九州から上京して、売れるまでずっと小劇場に出演していたとのこと。
やっぱり舞台で叩き上げた女優さんは、ちょっと違うと思ってしまう。
そんな彼女が舞台でシェークスピアをすると言うので見に行った。
実は、「ジュリアスシーザー」は、藤原竜也や吉田鋼太郎が出演
した蜷川版も見たことがある。
シェークスピア劇は長セリフが多いので、嚙んでしまう俳優さんも
いるのだが、さすが吉田羊は終始低めの声で落ち着いて
ブルータスを演じていた。
シェークスピアは、舞台は見れるのだけれど本で読むと挫折して
どれも最後まで読めた試しがない。今回、ちょうど総選挙の後
だったので、ブルータスの演説に熱狂した群衆が、次のアントニー
の扇動によって全く逆の反応を示しブルータスを焼き討ちにする
姿が象徴的だった。ローマは市民政治といいながら、群衆は
扇動されると感情的になる愚かさを描いていると思う。