公開当時、評論家筋から大変評判の良い作品だった。これほど前評判が良かったのは、当時では「ゴッドファーザー」以来だと思う。
主演のポール・ニューマンとロバート・レッドフォードというと、すぐに「明日に向かって撃て」のコンビと連想するが、私は同作品は見ていない。
公開当時は、私は中学生で永井豪の「デビルマン」を読むために「少年マガジン」を購読していた。当時のマンガ雑誌には映画の評論記事もあって、この作品を絶賛していたのを覚えている。
結局、我が家で「スティング」を映画館に見に行ったのは父親だけで、帰ってきた際に感想を聞いたが、あまりはっきりと答えなかった。きっと好みではなかったのかもしれない。
はっきとは覚えてはいないが、VHSもレンタルビデオ店もなかった当時だから、この作品を最初に見たのはTV放映だと思う。見終わった後、期待が大きすぎたのか、あまりピンとは来なかった。
ストーリーは、駆け出し詐欺師のロバート・レッドフォードは誤って組織のお金をだまし取ってしまい、相棒を殺された上に組織から命を狙われる。そこでベテラン詐欺師のポール・ニューマンに助けを求め、逆に二人は復讐の為に組織のボスに大掛かりな詐欺を仕掛ける。
執拗に二人を追う地元の刑事やFBI。組織が雇った謎の殺し屋も絡んで、結末は意外な方向に進展する。
詐欺をテーマにして、様々なイカサマや詐欺の手口を見せながらストーリー自体も観客もどんでん返しを仕掛けている。
ラストは勘のいい人なら見破ることが出来る。中学生の私も怪しいと思っていたポイントだった。ただ、組織の雇った殺し屋の正体は見破ることはできなかった。
小粋なピアノのテーマが印象的な洒落た作品だと思います。
NHKBSで再視聴。