007は、父親が好きでよく一緒に行った。確かこの作品は、
「ユア・アイズ・オンリー」の同時上映だったと思う。ひょっとすると父親と一緒に映画館でみた最後の映画かもしれない。
原作はアガサクリスティの有名な長編小説である。「鏡は横にひび割れて」というれっきとした題名があるのに、なんでわざわざ「クリスタル殺人事件」などというタイトルにしたのだろうか?
田中康夫の「なんとなくクリスタル」をもじったのだろうけど、ストーリーには全く関係のないタイトルになっているし、それどころか、事件の謎を解く重要な詩の一節であるのに!
女優役のエリザベス・テイラー、そして敵役のキム・ノヴァク、そしてエリザベス・テイラーの旦那役のロック・ハドソン。
まさに銀幕のスターの競演である。父親の視聴後の感想が
「リズもばあさんになったな!」だった。 監督は、それこそ007のガイ・ハミルトンである。
私の感想としては、クリスティ原作の映画としては良い方だろうと思う。ただ、作中に何人も殺人が行われる金田一探偵に慣れた私には、2件の毒殺しか起きないこの作品は、とても上品(?)に思えた。
犯人はすぐ見当がつくが、動機がよくわからない事件です。
事件のキイワードになるGerman measlesは、自分でも聞き取る
ことができた。 悪いニュアンスの単語は、外国の名前をつけるなんていかにもイギリス人だと思った。
NHKBSで再視聴