ニセモノ・ワイン? 合成酒?

「偽ワイン」10の見分け方



ワイン好きにとっては衝撃かもしれません。

なんと、世の中には偽ワインが

出回っているのです!!



でも大丈夫、これからお見せする

偽ワインを見抜く10の方法を

身につければ本物だけを味わえるでしょう!



まずは偽ワインを紹介します。

実は、その種類は11種にも及ぶのです。





偽ワイン11種類


・粉末ワイン:乾燥残留物のブドウを

 蒸発させて水で薄めて香料と共に

 アルコールを入れたもの


・人工ワイン:水と酵母、砂糖、クエン酸、

 アルコールに香料、さらに防腐剤を

 入れたもの




・フランス産に似せたワイン:低品質な

 麦芽に水と砂糖を加えて必要な濃度に

 達したもの


・果肉で作られたワインのことで

 ブドウを押しつぶしたもの


・味わい深くするためにグリセリンを

 入れたワイン


・酸味の強い麦芽を和らげるために

 アルカリ性の添加物が使われたワイン


・防腐剤が使われているワインで

 熟成させるときに防腐のために

 サリチル酸を加えられたもの


・混合ワインと呼び

 質が高いワインとそうでないものを

 混ぜ合わせて香りや味に深みを

 与えているもの


・色付されたワイン

 着色料を入れて見栄えの

 いい色にしているもの


・代用ワイン

 ラベルや栓を別のものを代用しているもの


・偽装ワイン

 有名なブランドの名前を使っているもの

こんなに区分されるほど、あるのか???

まぁ、ワインだけに限った話しではないが

今回はワインに限って、話すことに!





偽ワインの見抜き方


では、偽ワインの見抜き方を紹介します。

ワインショップでも家でも、それぞれに

適した調べ方がありますので

使い分けてみてください。



ワインショップで確かめる方法


・パックで売られているワインは

 低品質なものです。質の高いワインを

 提供するところはパックで

 販売しないので注意しましょう。


・使用されている砂糖が以下に

 記載している基準量より多いか

 確認しましょう。

 辛口ワインは4g/L、中辛口は18g/L、

 中甘口と甘口は45g/L

 もし基準よりも多い砂糖や

 ラベルに記載がなければ、

 人工甘味料が添付されているでしょう。


・ワインへのサリチル酸の使用は

 現在では廃止されているので、

 ラベルに表記されていないか

 気をつけましょう。ただ、二酸化硫黄は

 発酵の副産物なのでどのワインにも

 存在します。





・ラベルに記載してある製造年は他の

 情報と分けなければなりません。

 また、そのフォントははっきりしていて、

 誤植やぼやけさせたり不完全な印刷を

 避けなければいけません。なので、

 ラベルの記載とプリントにも注意すると

 よいでしょう。

 それに加えて、ラベルと栓に書かれてある

 情報が一致しているかも確認しましょう。


・樽に貯蔵されているヴィンテージワインは

 手を加えられません。よって、人工の

 辛口ワインは存在しません。

 安くて簡単にワインと似た味の甘い

 濃縮物を作ることができるので

 人工ワインというのがあります。


・名のあるワインブランドは、そのボトルの

 デザインが微妙に違ったものでないか、

 注意した方が良いでしょう。




家で確かめる方法


・グラスにワインを注ぎ重曹を加えて

 みましょう。そのときにワインの色が

 変化すれば、ブドウのでんぷん質と

 反応していることになるので本物の

 ワインです。もし色に変化がなければ、

 それは偽物です。


・グリセリンが家にあれば注いだワインに

 入れてみるのもいいでしょう。

 通常のワインではグリセリンが底に

 沈むだけで色の変化もありません。

 しかし、手を加えられているワインは

 黄色や赤色に変色します。


・注いだワインにチョークを入れると

 着色料が添加されているか分かります。

 チョークを取り出して乾燥した時に色が

 変わらなければ通常のワインですが、

 そうでなければ着色料の入ったワインです。


・最後に、ワイン1つで簡単にできる

 見抜き方があります。それは、

 ワインボトルを振ってできる気泡を

 確認することです。

 質の高いワインだと気泡が中央に集まって

 すぐに消えますが、質の低いワインは

 端に気泡が溜まってなかなか消えません。



いかがでしたか?

お家のワインで早速、実験してみては?




本物の甘口ワインの種類


ワインにも他のお酒と同様、

甘口と辛口があります。



最終的にワイン内に残った糖分の

多少によって甘口、辛口が決まります。

甘口ワインの作り方はおおざっぱに言って

3つあります。 



ワインのアルコールは酵母による

発酵によって生じますが、

この酵母菌、アルコール度が

14~15%以上では生育できません。



つまり葡萄ジュース内の糖分を分解して

アルコール度が14%程度に達すると

それ以上糖分の分解が出来ずに

ワインの中に糖分が残ってしまい

甘口となります。



この現象を利用して葡萄ジュースの

糖度を高くする方法が甘口ワインの

一つの製造方法です。



2つめは前節のシャンパーニュの様に

後から甘いリキュールなどを添加する方法。



3つめはアルコール発酵の途中で

ブランデーなど高いアルコール濃度の酒を

添加し葡萄ジュース内に糖分が残っている

段階で発酵を停止する方法です。 



ここでは貴腐ワインと遅摘みワイン、

アイスワイン、そしてちょっと種類が

異なりますがズースレゼルヴについて

お話します。



それから普通のワインの本には絶対に

書いていない注意事項を挙げておきます。 

※虫歯のある時は、甘口ワインは

   避けたほうが良いでしょう。

   とっても,しみます。


ワインを飲むには歯の健康も大事です。

当たり前かぁ!?(笑)



貴腐ワイン



この名前は聞いたことのある人が

多いでしょう?


でも貴腐(きふ)というのは完全に当て字で

実際にはフランス語の"pourriture noble"

英語の"noble rot" なのですが、

どなたか文才の有る方がこの字を

当てたようです。



さて、世界3大貴腐ワインというと、

フランスのソーテルヌ、

ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ

最後にハンガリーのトカイアスーが有名です。



ちょっと値段の張るものが多いですが、

これには訳があります。

つまりなかなか出来にくく希少価値が

あるという事なのです。



ソーテルヌを例に説明しましょう。

ソーテルヌはボルドー地方を流れる

ガロンヌ川の中流域にありますが、

川からの湿気で秋になると朝のうちに

霧が立ち込めます。葡萄畑もこの霧に

覆われてしまいます。

でも午後になるにしたがい、霧も晴れ今度は

乾燥してきます。貴腐ワインにとっては

この気候がまさにぴったりなのです。



さて貴腐という字の「腐」ですが、

読んで字の如く腐る訳です。

葡萄が腐るとはカビが生えることなのですが



つまり朝のうちの霧による湿気で葡萄に

カビが生えてしまうんです。

でもこのカビ(ボトリティス・シネレア)は

貴腐ワインに限っては良い影響を

ワインにもたらします。普通、このカビは

「灰色カビ病」の原因となる菌で

嫌われ者です。



でも完熟した葡萄に付くと、

面白い現象が起きます。このカビは葡萄の

皮の表面のワックスを食べ葡萄の皮に

菌糸を入り込ませていきます。



すると葡萄の皮に無数の穴が開いたような

状態になります。ここに午後からの

乾燥した天候が作用すると葡萄内部の

水分がカビに無数の穴を開けられた皮を

通して蒸発してしまいます。



これを繰り返すことにより中の果汁が

濃縮されていきます。





このようにして濃縮された果汁を絞ると

果汁状態での糖分が30%~40%もある

甘いぶどうジュースができます。



こんなに糖分が多すぎるぶどうジュースから

ワインを造ろうとすると発酵そのものが

起きにくく更には発酵が途中で

停止してしまったりします。



この結果、ワイン中に大量の糖分が

残されます。このようにして造られた

ワインが貴腐ワインです。



でも、カビでうまい具合に果汁が濃縮された

葡萄のみを収穫する必要があり、

一粒一粒厳選して選果することになります。



このため人手もかかり、また天候に恵まれる

必要もあるため高価な物になっているのです。



 




遅摘みワイン




ボトリティス・シネレア菌がつかなくても、

完熟した葡萄を収穫せずにそのまま木に

つけたままにしておくと、乾燥した天候が

続くとだんだん干しぶどうの様な

状態になっていきます。



この生乾き「干しぶどう」みたいな状態から

ワインをつくると糖分が濃縮されているため

やはり甘口ワインができあがります。



この方法で造る甘口ワインが

遅摘みワインです。





フランスですとボルドーを流れる

ガロンヌ河、ドルドーニュ河の上流に

あたる地区の一部(ベルジュラックなど)や

ドイツのシュペトレーゼ、アウスレーゼ、

ベーレンアウスレーゼなどがこれに

当たります。



貴腐ワインの場合

ボトリティス・シネレア菌による独特の

風味がつきますが、

遅摘みワインにはありません。
  


ただしドイツのアウスレーゼや

ベーレンアウスレーゼの場合は

ボトリシス・シネレア菌の助けを借りて

糖度を上げていることが多く、

この意味で純粋な遅摘みワインとは

言い切れない部分があります。

実際、良いアウスレーゼで貴腐香を

感じることがあるのはこのためです。



アイスワイン




遅摘みワインをつくっている間に猛烈な

寒波がやってくると葡萄が木に付いたまま

凍ってしまう事があります。



この凍った葡萄の実を凍ったまま絞ると

水分が凍っているため、

濃厚な葡萄ジュースがとれます。

これから造ったワインがアイスワインです。





ドイツのアイスヴァインが有名ですが、

他にもカナダ、アメリカ合衆国、

オーストリアなどでも造られています。

かつては出来の悪い葡萄の起死回生に

使われた事もありましたが、現在は十分に

熟した葡萄から造るようになっています。



遅摘みの葡萄が凍るわけですから

トロッケンベーレンアウスレーゼと

同じくらいの糖度になりますが、

ボトリティス・シネレア菌の影響が

無いため貴腐ワインとは違った風味の

ワインとなります。



天候にも左右される貴重なワインですので、

大変高価です。葡萄を収穫するのは気温の

低い夜中から朝方ですし、葡萄を絞ると

氷の固まりの様になってしまうので

プレス機を止めてハンマーでこの

氷の固まりを砕きながらという作業が

行われたりもします。 



もうひとつクリオ・エキストラクションと

いう方法があります。

これは人工的に葡萄を凍らせて

アイスワインにしてしまおうという試みです。



日本でもこの方法で造られたワインが

あります。でもやはり自然の力には

かなわないみたいで、本物のアイスワインとは

ちょっと味わいが違うようです。

もちろん値段も違いますしね?



ズースレゼルヴ(ドイツワイン)




ドイツワインのうち比較的ボピュラーな

クラスのワインにはズースレゼルヴという

果汁を加えることにより、

独特の甘味やフレッシュさを作る方法が

あります。



ドイツでは最大25%までこの

ズースレゼルヴを混ぜることが出来ますが、

実際にはQbAクラスのワインで15%程度と

言われています。



ズースレゼルヴとは簡単に言えば

ワインにする前の同じ葡萄から造った

葡萄ジュースのことで、

高温瞬間殺菌法や特殊精密フィルタでの

濾過、高圧炭酸ガス雰囲気での保存などの

技術を用いて新鮮な状態で果汁を保存して

ワインの仕上げの際に添加します。





これによりドイツワイン特有の甘味と酸味を

持ったワインが出来上がります。

通常は発酵によって葡萄ジュース内の糖分を

全て分解し辛口に仕上げたあとに

ズースレゼルヴを加えて甘口にする事が

多いようです。



ちょっと、長々と難しい製法について

書いちゃいましたが、

ちゃんとした本物の甘口ワインは

砂糖や甘味料などを加えるのでないことを

ご理解頂けたかと思います。


今回も最後まで読んで頂き

ありがとうございました。