生き方の哲学ー14 浦蘭 「みおつくし」2月号より
生き方の哲学ー14 浦蘭 「みおつくし」2月号より
毎日の生活で不平不満、そしてストレスを感じないで日々生きていけたら、喜びも倍増し、楽しさも多く感じられるでしょう。
笑顔も増えて、周囲の雰囲気も改善され、いがみ合うことも少なくなり、喧嘩や争いも少なくなるはずです。
人間、誰でも快適な生活をしたい、精神的に豊かに過ごしたいと思っています。
しかし、現代社会では、心豊かに感じて生きている人は本当に少ないでしょう。
世の中、男と女しかいないわけですから、いかにお互いが足りないものを補い合い、フォローし合うかで毎日の生活が良くなったり悪くなったり、楽しく過ごせたり楽しくなかったりします。
お互いが歩み寄ったり、譲歩し合うことで穏やかな心持ちになり、そして幸せ気分になり、喧嘩や争いが減って、家庭環境も改善され、育児や子育ても和やかな気持ちで順調に進むはずです。
しかし、人間ですから、わがままな時もあり、疲れやストレスも溜まります。
そして、男性と女性では肉体的にも生理的にも大きな差があるわけですから、男女区別なく同じ様な考えや、単純な思考では解決しない場合もあります。
家族や夫婦の関係には、日頃の会話が必要です。
仕事が忙しかったり、家事や用事が山積みで生活に追われ、どうしてもゆっくり話し合う時間は少なくなります。
会話する時間が足りないと、誤解もおこりやすくなり、もめ事になりかねません。
言葉のやり取りと、それぞれの心理状態によって社会の人間関係は成り立っているのでしょう。
言葉は、会話にしろ文書にしろ、聞き手や読み手の思考に心理的影響を与える大きなエネルギーがあります。
相手の気持ちや気分、精神状態を善くも悪くもさせます。
同じ内容の言葉を交わしても、言い方や表現の仕方、調子で大分差がでてきます。
特に反感の伴う感情的な言葉のやり取りは売り言葉に買い言葉でエスカレートし、感情が高まっていき、興奮状態にまでなり、大きなストレスとなって心に蓄積されるでしょう。
職場や家庭、環境や地域、社会の構造や人間関係など、様々なことに対しての不平不満、ストレスが蓄積されているのでしょう。
自分一人ではどうにも解決しようの無い不満、自分が思うように周囲が変化しない葛藤、それぞれが求めている理想や価値観のズレ。
不平、不満、ストレスのはけ口が見当たらない、信じられる対象が見当たらないことの不安感。
自分が正義と考え、正しいと信じている事が認められず、到底受け入れられない物事を押し付けられ、強いられることの不満。
色々な場面、様々な状況で自分と他者の歪みが起こります、それらの摩擦によっていがみ合い、憎しみ合い、恨みとなって争いあうのでしょう。
それぞれが自分の価値観で、自分の都合で善悪の思い込みが植え付けられています。
自分と他者の区分け、そして善悪の区分けを自分だけの好都合、不都合によって決めつけ、思い込むのです。
それらの区分けはやがて差別や不条理、発展すれば犯罪や戦争などの引き金にもなるわけです。
それぞれの思いや考え、自分勝手な思い込みなどは自分自身の知性によって都合良く考えようとします。
人間だけに備わっている知性というものは功罪両面があって成り立っているのですから、いいとこ取りだけはできないわけです。
社会生活をしていれば、現実と想いのギャップがあり、いいとこ取りの無いものねだりが起こり、悩みや苦労が付いてまわります。
今ここを上手に生きて、少しでもストレスから解放されるように自分をコントロールし、日常生活を送ることが大切でしょう。