今春で35年目となる春のビーチクリーンアップin SUMAが、大型連休前半の4月28日(日)にクリーンアップ関西事務局主催で行われたので、ラ・メールの5人で参加した。少し暑いくらいの良い天気に恵まれ、コロナも落ち着いているからか昨年の1.8倍くらいの92名の参加者があった(主催者調べ)。その結果をメインに報告する。クリーンアップ関西HPより

調査結果
 今回はこれまでの調査地から逆に東側堤防までの間で実施した。大きいゴミが少なく海草などの天然物が多く小さなごみを中心とした調査になった。

 

主催者側のまとめでは

*採集ゴミの総数は4090個、調査員数は92人でしたので一人当たり44個でした。

*採集ゴミのうち紙や木、金属類を除いたプラスチック製ゴミの割合は89.2%で前回並みでした。

*プラスチックの破片が64.9%とやはりダントツのワースト1でした。

*「たばこのフィルター」が2位に返り咲きました。昨年も春の調査で2位でした。

*「発泡スチロールの破片(大)」がワースト10からランク外になりました。

*レジンペレットやカキ養殖用パイプもいくつか見られましたが、ワースト10には入りませんでした。

〇 関連情報
 須磨海岸以外の地点での漂着ごみの状況を知りたくて、日本全国の調査結果を探ってみた。少し古い調査だが地点による結果比較ができるので記載する。
1.環境省による全国10地点における漂着ごみ調査(2017年度)
  環境省は毎年日本各地の海岸で漂着ごみの調査をしている。2017年度は南は宮崎県の日南、長崎県の五島から北は北海道の稚内まで、全国の10か所を対象にした。それぞれの海岸線50mについて、漂着していた2.5cm以上のすべてを拾いその種類などを調べた。
・漂着ごみを個数でみると枯れ木などの自然物に比べてプラスチックなどの人工物が圧倒的に多い。人工物は五島では97%、島根県の松江では95%、東京都の八丈島が98%、北海道の根室が83%、稚内が82%などとなっていた。ほとんど私達が作り出し使ったものである。

漂着ごみ(人工物、自然物)の組成比 (個数ベース)(2017年度調査)

 ・人工物の内訳はたとえば長崎の五島ではペットボトルが51%と半分を占め、漁網をはじめとする漁具  が26%、発泡スチロールが5%などとなっていた。宮崎の日南だと弁当容器やトレーなどの食品容器が49%、ペットボトルが38%、これらはいずれもプラスチックごみである。海岸によりその種類については順位に上下はあるが、おおざっぱに見て人工物の7~8割はプラスチックという感じである。

             人工物の漂着ごみの構成比 (個数ベース)

・各調査地点においてペットボトルが多いがラベルに書かれている言葉を調べたところ、西日本では外国語のボトルが多かった。五島では中国28%、韓国25%、日本17%の順。日南では中国が38%で日本は29%。日本海側の島根県松江では日本41%、中国16%、韓国9%。一方函館では日本94%、中国4%、韓国2%などと北海道では日本のペットボトルが多数を占めた。
2016年度の調査では、鹿児島県の奄美で中国72%、韓国12%、日本1%、韓国に近い長崎県の対馬では韓国40%、中国17%、日本13%となっていて、やはり北海道では日本製が多かった。
ペットボトルについてのこれらの結果は、東シナ海に流れ出た外国のプラスチックごみが黒潮や対馬海流に乗って日本に漂流してくることを、強くうかがわせている。
日本の西側からプラスチックごみが流れ着きやすいのは、海流のせいばかりではない。冬になると日本には北西から冷たい季節風が吹いてくる。海面に浮いているごみはこの風の影響も受ける。

・2016年4月から2017年3月までの1年間に日本の海岸に流れ着いたポリタンクの数を環境省がまとめたところ、1万6029個もあった。このうち1万1008個には文字が書かれていて、韓国の文字が9490個、中国語が837個だった。ポリタンクがこれらの文字を使う国から流れてきたとすれば、文字で判別できたタンクのうちじつに9割以上が韓国や中国という外国から流れ着いたことになる。

2.神戸うみさくらも須磨海岸のビーチクリーンを行っている
クリーンアップ関西主催のビーチクリーンアップin SUMAは春と秋の2回だが、「神戸海さくら」という団体は毎月1回(基本的に第3土曜)須磨海岸の清掃を実施している。ラ・メールも参加したことがあるが、ゴミ拾いの道具は現地で貸していただけるので、手ぶらで行っても気軽に参加できる。
 詳細は 神戸海さくら 須磨海岸ビーチクリーン (k-umisakura.com) をご覧ください。
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