プラスチック汚染を根絶するための国際条約策定に向けた第4回政府間交渉委員会(INC-4)が、今年4月21日から30日までカナダ・オタワで開催されました。その内容をロイターの記事より抜粋しました。

 

 世界から約175カ国の国連加盟国、国際機関、NGOなど、日本からは、外務省、経済産業省、水産庁及び環境省から構成される政府代表団が出席した大会は、プラスチックの生産量を制限すべきかどうかを巡り、連日激しい議論が交わされました。

 プラスチックごみによる汚染を国際的に規制する条約作りを目指す政府間交渉委員会は4月30日に、11月25日に始まる韓国・釜山での次回会合までに追加協議の機会を設けることで合意し閉幕しました。

 追加協議の対象には、発展途上国が条約に対応するのを支援するための資金提供も含まれます。また各国は、有害なプラスチック製品などを判定するためのプロセスを考案することでも合意しました。しかしながら各国は、プラスチックの生産量の見直しのための公式プロセスを打ち立てるには至りませんでした。釜山での次回会合での合意を目指す条約は、気候変動や環境保護関連する取り決めとしては2015年のパリ協定以降で最も重要な内容となる可能性があります。

 プラスチック汚染の持続可能な程度を検証するためにルワンダとペルーが提起した案は、50ヵ国以上が支持すると表明しました。ルワンダの交渉責任者は、プラスチックの生産量は2050年までに3倍に増えると見込まれるが、現在の水準は既に「リサイクルと廃棄物処理の限界量をはるかに超えている」と述べました。

 一方、生産量を抑える目標を設定する取り組みは、サウジアラビアや中国など一部の石油化学生産国からの強い反対に直面しました。

 

 前回でも述べましたが、国連そして全世界を巻き込んでの”プラスチック染汚染根絶”に向けた大プロジェクトです。各国の思惑もあり、上手く進行していないとの一部報道もありますが、各国の利権のみにとらわれることなく地球の将来を見据え、必ず成功に導かなければならない今後の地球環境を左右する極めて重要プロジェクトであると考えます。今年11月25日から12月1日まで韓国の釜山で最後の交渉委員会(INC-5)が開催され、本年末までに法的拘束力のある国際文書(条約)をまとめる予定になっています。

 INC-5では政治的妥協することなく、各国の思惑を排除し今後の世界環境にとって本当に効力のある条約を作り上げることが出来るか注視します。

<マッサン>