ラ・メールはこれまで海洋プラスチックの問題に関連する記事を当ブログで数多く配信してきました。
今回は過去に配信してきた記事を思い起こし、「海洋プラスチックごみ問題とは」「海洋プラスチックごみ問題が発生する原因は」「海洋プラスチックごみ問題に関して私たちができることは」について再度解説したいと思います。
■海洋プラスチックごみ問題とは
海洋プラスチックごみ問題とは、私たちが生活で使っているレジ袋やペットボトル、使い捨てプラスチック容器や漁網をはじめとした漁業関係のごみなど、さまざまなプラスチックごみが海に流れ出し、次のような問題を引き起こしています。
・ 海洋生物(魚類、海洋哺乳類、海鳥など)の生命を脅かす
・ 生態系への影響による、生物多様性や環境保全機能の損失
・漁獲量の低下(漁業への悪影響)
・海洋プラスチックごみによる景観の悪化(観光業への悪影響)
・プラスチックの成分を取り込んだ魚・貝を摂取による、人体への長期的な影響
■海洋プラスチック問題が発生する原因は
海洋プラスチック問題の原因とはどのようなことかは、下記によっています。
・ さまざまな用途で利用拡大、プラスチック製品生産の増加(社会・人的要因)
・ 安価で手に入る製品である故のポイ捨てや漁網や漁具海上投棄など不適切な処分
方法(人的要因)
・ほとんどが陸上由来とする海洋プラスチックごみは、大雨や風などの天候により
海へと流される(自然・環境要因)
・ 洗濯や歯磨きなど、日々の生活によるマイクロプラスチック流出(人的要因)
・ プラスチックという素材の特性:安価、軽い、錆びない、絶縁性があり衝撃にも
強い、加工し易い(物質の要因)
■海洋プラスチックごみ問題に関して私たちができることは
プラスチックごみ問題がもたらす海への影響は日本のみでなく世界的問題であり、国連においても、持続可能な開発目標(SDGs)の早急に取り組むべき課題として目標14のターゲットのひとつに盛り込まれています。
日本では「3R+Renewable」を基本原則に掲げ、SDGsや循環型社会の実現、環境への配慮した取り組みを政府と企業主体でおこなっています。
3R【Reduce:リデュース、Reuse:リユース、Recycle:リサイクル】が有名ですが、世界では主に次の12Rが推奨されています。
ここでは、3Rに2Rを加えた5Rの取り組みに着目し「プラスチックごみを減らすためにどのような行動を私たちができるか」を下記の具体例で紹介します。
具体例
・マイバッグを持参し、レジ袋はもらわない
・ マイバックは洗浄・清潔に長く使用する
・ マイボトルを持ち歩き、プラボトル飲料水の購入を控える
・マイ箸やマイスプーンなどを持参し、使い捨て容器等の使用を減らす
・プラスチックストローの使用を控える
・ 飲食店のテイクアウト時に、持参した容器を使えないか尋ねてみる
・不要なプラスチック製品はもらわず断る
・ものを買う前に「これは本当に必要な物なのか?」を考える
・なくてはならない物なのか、別の素材に変えることができないかを考える
・ 食材は量り売り・バラ売りショプを利用しバッグや容器持参で必要量を購入する
・スーパーなどで食品を小分けにするポリ袋の使用を減らす
・買い物では過剰プラスチック包装品を避ける
・ 過剰包装を避けるため、個包装ではなく大袋入りのお菓子を買ってみる
・ アクリル、ナイロン、ポリウレタンなどプラスチック由来製品を買わない
・合成繊維の服を避け、天然素材の服を買う
・ トレンドに左右されず長く使えるものを選ぶ
・ 調味料や飲料は繰り返し使える容器に入っているものを選ぶ
・ 食品の保存は蓋つき容器を使い、ラップの使用を減らす
・ 使い捨てラップのかわりに繰り返し使えるエコラップを使う
・ ボディーソープから固形石鹸に変える
・詰め替え可能な洗剤を使う
・ プラスチック歯ブラシに替え竹歯ブラシを使用する
・ シャンプーバー(固形状のシャンプー)を使ってみる
・ スクラブ材の含まれないスキンケア用品を使う
・ 化学繊維のスポンジではなく、ヘチマたわしや植物繊維スポンジを使ってみる
・目の細かい洗濯ネットや洗濯用コーラボールを利用し、洗濯時のマイクロファイバ
ーの流出を防ぐ
・リサイクルショップやフリマアプリを利用する
・ プラスチックの代わりに繰り返し使える瓶入りの商品を選ぶ
・地域や店舗などで行われているリサイクル活動に参加する
・ 地域のルールに沿ってリサイクルできる資源を分別し、回収場所に出す
・リサイクルショップを利用し、再生プラスチック製品を使用する
・ 壊れたものをすぐに捨てず、修理できるか調べる
・ 修理サービスを行っている店の商品を選ぶ
・ 道にも川にも池にもプラスチックゴミのポイ捨てはしない
・ 屋外で出たプラスチックゴミは家に持ち帰って処分する
・ 生活からできるだけ「使い捨てプラスチック」をなくすよう努める
・ 楽しみながら近隣のゴミ拾いをする
・ 河川敷や海岸の清掃活動に参加する
・無理せずできるプラスチックスマートな生活のコツを周りの人と話してみる
【おわりに】
海洋のプラスチックごみは、その8割が陸地から出ていると言われています。
海洋プラスチック問題は、海やその近辺に住む人だけの問題ではありません。
この地球に住む人がすべて、自分の問題として考え、「私たちにできることは何か」と取り組みを始めることが大切です。
具体例を列挙しましたが、他にもできることがあり、既に実践している方も多数おられると思われますが、次世代に「負の遺産」を残さぬためにも無理なくできることから始められてはどうでしょうか・・・。 by 海士人