マル、私のパートナー(私は結婚していないので事実婚なのでこちらではこう呼びます)のお父さんが先ほど亡くなったとスペインから連絡が入った。

糖尿を長らく患い、最近透析を始めたばかり。それ以来調子が悪くたびたび入院していたりしたのだけど、昨日の夕方、マルの弟(スペインにいる)から連絡が入り、肺に水が溜まって入院したとのこと。様子が思わしくない、という事で速攻スペイン行きのチケットと空港までの電車を手配し、今朝早くにケンブリッジまで車で送りに行ったのである。そこからはロンドンガトウィック空港までは自分で行って、とははっきり言わなかったがどうしてもガトウィックまでは送っていけなかった。(ただ運転が難しいという事を事前に皆から聞いていたのである)

 

マルのお父さんは背は低いけど大柄な人で、パブ経営一筋、家族を支えてきた人なのである。私は丸のお母さんと気が合わず、いつもスペインへ行くと口論になり嫌な思いをするという事で数年前からスペインへは出向いていない。息子、オリとマルと3人でいつも帰っていたのだけど、スペインへ帰るとなると3週間両親ものとで暮らす羽目になるし、お母さんの手料理はいつも本当においしいのだけれど、3週間は本当にしんどくて。お父さんはどっしりといつも大人しく、いつもテレビを見ているイメージ。

 

スペインへ行くと口論って書いたけど、私は全くスペイン語はだめ。でもね、わかるのよ、私の事言ってるんだわ、何言ってるかもわかるの。いつもお母さんの顔は怒っているイメージ。すっごい苦手。だからもう会いたくない。

でもね、お父さんが今亡くなったって聞いて、どれだけ彼女が悲しんでるか手に取るようにわかる。すごい仲良しだったから、おしどり夫婦。散歩はいつも二人で。お父さんの足の爪まで切ってあげてたり。愛情が手に取るようにわかるの。お父さんが亡くなった今、お母さんはどうやって南の別荘地へ行くんだろ、って。運転免許持ってないし。いつもお父さんの運転を頼りにしてたお母さん。。

 

3回ぐらいしか会ったことない。マルとは結婚もしてないし、こちらで言うディファクト、事実婚。だからこのお父さんとは法律上なんのつながりもなければもちろん血もつながってないわけで。そして今までのお母さんとのやり取りで、私自身もうこの人たちとは距離を置こうって決めたのに。人の命が無くなる、というのは本当に重く心にのしかかるのである。

 

長い事患った糖尿病から透析、最後まで奥さん(お母さん)に愛されて、またデンマークに住むマルの姉さん、イギリスに住むマル、スペイン在住、また両親のパブを引き継いで大成功させたマルの弟のホルヘ、(あと一人妹スペインにおるんだけど一緒なのかは知らない)みんなに囲まれて息を引き取ったんだろう。幸せな人生だったんじゃないかな。肺に水がたまった後、鎮痛剤を出すのみしかせず、なーんにもしてくれなかった医者。これはスペインの医療事情なのか、ポストコロナ情勢なのか。わからないけれど、余り苦しまずに逝けたのは良かったのかもしれない。

 

最後にありがとう。

と言いたい。お母さんといろいろあった時も、何となく温かく見守ってくれたお父さん。その存在は大きかった。

グラシアス。