ぱーと1につづき。
待つこと約一時間。
段々待合室にいた人たちはどんどんいなくなり、
気づけば私一人。
いよいよ受付番号で呼ばれ診察室に入る。
高性能マンモグラフィでも、ただ真っ白な映り。
エコー診察でも前医と大きな違いはなし。
そして生検。
これも見たことあるやつ。
麻酔して組織を取り、圧迫止血。
看護師だもん、怖いとか言えないですよ。
先生はエコー写真を見ながら
〈半々よりは、悪性の可能性が高いと思う〉
〈若年性だから、遺伝子検査の保険対象になる〉
〈癌ならば、タイプに応じた治療の選択〉
〈タイプによっては術前化学療法の可能性もある〉
ここで、私少し固まる。
術前ケモ?
ここにくるまでの間、当然のように手術を想定。
ケモ?
脱毛するのか、私。
今思えば想定内のシナリオだし、
たくさんそういう患者さんもみてきた。
なのに、その時までの私は不思議と思い付かなかった。
心がフワフワしたまま先生の言葉が次々流れていく。
〈結果が出るまで二週間〉
次の予約を確認して待ち合いに戻る。
お会計して駐車場へ。
車に戻ってもしばし呆然。
脱毛の可能性を感じたら、急に病気が目の前にやって来た感覚。
患者さんたちのウィッグとか、アートメークとかしていた姿が頭のなかにグルグル回る。
はじめて涙が出た。