SUPERBEAVER 渋谷龍太さんの初のエッセイ集。
そして、出版のために書き下ろされた短編小説。
「吹けば飛ぶよな男だが」
昨年、東京虎ノ門ヒルズで開催された詞展を見に行った際に購入しました。
ずっと、読みたいと思っていたものの現在本屋さんでは
販売しておらず、わたしの中にある
「通販で本は買わない」
という拘りにより手にする機会がなかったのです。
私がSUPERBEAVERを好きになったきっかけが、SNSでたまたま流れてきた渋谷さんのライブMC集とやらを見て
なんて言葉巧みに操る人なのだ、、。
愛、才能、努力、美貌全てを持っていて、
きっと人との関わりを大事にしている人なのだろう。
…と素人ながらに感じ、そこから渋谷龍太という存在が気になりSUPERBEAVERの曲を聴き出した。という流れなのだ。
渋谷龍太のMCは泣かせにくる。と日本国内だけでなく
全米で有名だと思うが(?)、私は動画を見ただけで泣いた。
曲や映画で泣いてしまう。ということはよくあるが
言葉だけで人を泣かせるとは簡単にできることではない。
もちろん誰かを罵り、傷付けることで涙を浮かばせることは可能だが彼は違ったのだ。
この本に綴られるのは彼の強い拘りや信念。
実体験を元にしたユーモア溢れるエッセイ。
到底理解できない!!!!!
と思うような拘りも中にはあると思うが彼のその拘りによって、あの音楽は生まれたンじゃないかとそう思った。
彼自身が小学生のときに体験したあるエピソード。
校長先生の話はなぜ全く頭に入ってこないのだろう。
これは全人類思ったことがあるはずだ。
こんなにも無駄でつまらない時間はこの世にはないと、
私自身も思い続けて今も生きている。
そのことを彼はこう綴っていた。
「個人個人を認識してでの集団なのか、認識しないでの集団ではまた意味が違ってくるが校長先生は完全に後者だろう。
ひとりひとり、ではなく大衆に向けて話しているから
面白みもないし響かない。」(ニュアンス)
この文を読んだ瞬間首がもげるほど頷いた。
学校の先生や大人は生徒を集団として見ている。
今までの学生生活で個人として見られたことは片手で数えられるほどしかないだろう、とそんな風に思う。
実際、渋谷さんの言っていることは正しい思う。
絶対に正しい。とはひとえに言いきれないが、、。
一対一で膝突き合わせて話をするのと
一対集団で人間をひとつの塊と意識して話をするのでは
全くもって伝わり方が違うだろう。
集団のうち、数人には話しての意図が伝わるかもしれないが過半数には伝わり切らないだろう。
ただ、一対一で話した場合全ては伝わらないとしても
集団に比べたら話しての意図は九割伝わると思う。
それはしっかり聞き手をひとりの人間として認識して
目を見て、話をするからではないかと私は思う。
きっと幼少期渋谷龍太もそんな風に思ったのだろう。
だから、渋谷龍太はいつも
あなたたちではなく、あなたに。
……と言うのだと思う。
毎度、私はこの言葉に泣かされる。
嗚咽が出るほど泣かされるのだ。
実際には、わたしの顔や氏名など渋谷龍太は知らないし
一方的な好意や認知でしかないのだが
『あなた』と言ってくれるだけで
なんだか、こちらのことをしっかり認知してくれているような思いになれるからとても嬉しくなる。
変な拘りさえも好きになれる。
この本のために書き下ろされた短編小説。
わたしは小説を読んで初めて泣いた。
内容を言ってしまうと「読みたいなぁ…」と思っている人の意欲を削ぐことになってしまうので大体のことしか言えないのだが……泣
とあるコンビニエンスストアの話。
これは小説であり実体験ではないと思うのだが、
話の作りがしっかりしすぎていてつい感情移入してしまった。
書籍のエッセイ編に載っているとある話と
この小説の話が繋がっているのだがそれもまた面白い。
主人公が果たして渋谷龍太なのか、
はたまた別の人物なのか……。
それは最後まで分からなかったが
わたくし的には別の人物の話だと思い読み終えた。
人の温かさを大いに知ることができる小説だと思う。
ぶっきらぼうだけれど、
実はある人のことを大切に思っていたり……。
相手に心配させないように元気に振る舞うが
実は誰にも話せないような思いを抱えていたり…。
彼の言葉選びはとても匠で、文才だ。
バンドマン渋谷龍太。
を好きな人だけでなく、小説が好きな人や活字を読むのが好きな人にもぜひ読んで欲しい本書である。
この本をきっかけにSUPERBEAVERや渋谷龍太を
好きになってくれたらとても嬉しいですけどネ、、、。
