(藤堂先生/森山直太朗)
人より ほんの少し
努力するのが 辛くなくて
ほんの少し 簡単にできること
それが お前の得意なものだ
それが見つかれば
しがみつけ!
必ず 道は開く!
_
(佐藤久志/裕一の幼なじみ)
存在感はあるのに
気配を消すのは
得意なんだ
___
(双浦環/オペラ歌手/柴咲コウ)
目の前のことに
全力を尽くしなさい
___
(関内光子/音の母/薬師丸ひろ子)
私たちを遺したことは
悔いていると思う
でも お父さん
ロシアとの戦争いったでしょう
あん時ね 目の前で
人がいっぱい死ぬのを見たんだって
目の前でたくさんの人が死んでいくのに
なんも出来んかったって
そのことは あまり話さんかったけど
その時の後悔が ずっと
あったんじゃないかなあ
だから 体が先に
動いちゃったんじゃないかなあ
(関内安隆/音の父/光石研/回想)
“やらずに後悔するより
やって後悔した方が良い”ってな
(光子)
お父さんらしいよねぇ
___
(関内梅/音の妹/森七菜)
芥川先生の言葉に
こんなのがあるわ
“運命は偶然よりも必然である
運命は性格の中にあるという言葉は
決して等閑に生まれたものではない”
-どういう意味?
(梅)
簡単に言えば
運命は偶然に見えるけど
実際は 生き方から生まれる
ってこと
_
(光子)
夢を叶える人は 一握り
あとは 人生に
折り合いつけて生きていくの
___
(藤堂先生)
自分の人生だ
自分の人生を生きる
天から授かった宝物は
ドブには捨てない
___
(梅)
運命 信じとるの?
幸せな人だわ
私は 自分の力しか信じない
___
(梅)
現実 受け止めんと
もっと辛くなるよ
___
(光子)
頭は ダメって言っとるけど
心が 行けって叫ぶの!
___
(藤堂先生)
本気で 何かを成し遂げたいなら
何かを捨てねばならない
___
(落合吾郎/川俣銀行支店長)
失敗は 誰にでもある
失敗から学ぶ人間は少ねえ
逃げんなよ 自分の心から
_
(古山まさ/裕一の母/菊地桃子)
成功を求めて 傷付くより
身の丈に合った幸せを
掴んで欲しいの
(音/二階堂ふみ)
彼の身の丈は
世界に轟く音楽家です
(まさ)
ありがとう 嬉しいわ
でもね 選ばれる人って
導かれていくものだと思うの
_
(音)
皆 あなたに
幸せになってもらいたいの!
自分の人生を歩んで欲しいの!
___
(裕一/窪田正孝)
僕は この家を出ます!
_
(裕一)
母さんは 僕の幸せ願って
無理って 言ってくれてんだよね
音さんはね 僕の幸せ願って
やれる 大丈夫だって
言ってくれる
幸せ願ってくれる思いは一緒だ
だったら 僕は 音さんにかけます
_
(裕一)
僕 ずっと自分が恵まれていることに
気づいていなかった
感謝もしなかった
それ捨てないと 自分の道
歩けないことに 気づけなかった
_
(裕一)
俺 家族捨ててきた
(古山三郎/裕一の父/唐沢寿明)
おめえが捨てたって
俺は おめえを捨てねえ
安心しろ
___
(久志/山崎育三郎)
伸びる人ほど
助言を素直に受け入れる
_
(久志)
追いつかなくていいんじゃないかな?
それよりも 自分だけの
“サムシング”を見つけるんだ
___
(レコーディング技術者)
君 新人?
君みたいな人 いっぱい
見て来たよ
己に拘って
才能を活かせない人
___
[徳川家康公 御遺訓]
人の一生は重荷を負うて
遠き道をゆくが如し
急ぐべからず
不自由を常と思えば 不足なし
心に望みおこらば
困窮したる時を思い出すべし
堪忍は無事 長久の基
怒りは敵と思え
勝ことばかり知りて 負くるを知らざれば
害その身にいたる
己を責めて 人を責むるな
及ばざるは過たるより勝れり
___
(久志)
自分で気づかないとね
人は変わらないから
___
(裕一)
僕 ずっと自分 見てた
ただひたすらに 自分 自分 自分
僕の頭ん中 僕でいっぱいだった
そこに 誰も
誰も入る余地なんてなかった
(木枯正人/作曲家/野田洋次郎)
俺は 可愛い女の子で
いっぱいだけどね
(裕一)
僕は 自分の力 示すことに
固執してた
そんな 独りよがりの音楽
伝わるわけない
(木枯)
やっぱり 君は天才だよ
(裕一)
天才ならな とっくに気づいてるよ
(木枯)
天才だから 気づかないんだ
_
(音)
歌は 音楽は技量だけじゃない
心から生まれるものだってことを
昨日 彼のお陰で知りました
___
(久志)
人生は 短いよ
___
(環)
正直 言うと
あなたの歌には
惹かれるものがなかった
自分だけが 楽しんでいるようでは
プロとしては通用しない
あなたは 何を伝えたいの?
どこまで 役を理解している?
何も 伝わらなかったの
あなたの歌からは
___
(環)
プロってね
例え 子供が死にそうになっていても
舞台に立つ人間のことを言うの
あなた 当然
その覚悟はあるのよね?
___
(裕一)
音 聞いて
その夢
その夢 僕に預けてくんないか?
君が もう一度
もう一度 夢に向き合える日が
ちゃんと来るまで
僕がその夢 預かって大事に育てるから
君の夢は
君の夢は 僕の夢でもある
その代わり 君にもいつか
僕の夢を叶えて欲しい
(音)
裕一さんの夢?
(裕一)
そう 僕の作った曲で
君が大きな 大きな舞台で歌う!
音は 何一つ
何一つ 諦める必要ないから
その為に 僕 いるんだから!
___
(安隆/幽霊)
うちの女衆は全員 頑固だが
光やお前や梅は
自分を貫く 頑固さだ
でも 吟は違う
吟は 周りや人の目を気にして
頑なになることがある
___
(安隆/幽霊)
負けを認めるってことは
大切なことだ
負けを受け入れるから
人は成長したり
違うことに 挑戦できるんだ
_
(梅)
私 今まで
全てのことを 斜めから
見過ぎとったのかもしれん
これからは まっすぐ
生きてみる
自分とか 小説
まっすぐ 表現してみる
___
(小学生の久志/回想)
すべては 行動です
結果は変わらないかもしれない
恵さんは 得られないかもしれない
しかし あなたは変わります
人生の分かれ道は
突然やってきます
そこで行動すれば
すべてが変わります
___
(環/パリ時代)
失敗も
無駄ではないってことか
そう思いたいけど・・・
_
(里子/外交官の娘)
日本人って
繊細なことは得意だけど
パワーって面では
どうにもならないとこあるから
___
(今村嗣人/金子ノブアキ)
君の 失敗を願ってる
どんなに喜ぼうとしても
心の奥底から
嫉妬が溢れてくる
俺は 君といる俺が
嫌いだ
君といると 俺はどんどん
嫌な奴になる
俺は 君という光の影でいるのは
耐えられない
___
(久志)
“人事を尽くして天命を待つ”
___
(梅)
“私たちの急務は
ただただ眼前の太陽を
追いかけることではなく
自分らの内に高く
太陽を掲げることだ”
島崎藤村先生の言葉
大事なのは 五郎さんが
どう生きたいかってことだと思う
___
(聖書を読む裕一)
“悪より遠ざかりて善をおこなひ
平和を求めて之を追ふべし”
___
(保さん)
歴史は繰り返す
人類は生まれてから
ずっと 戦ってる
変な話
ギリシア神話では
神々だって 戦ってるんだから
どうしてだろうね?
(裕一)
生きるための本能ですかね?
(保さん)
さあ 僕には分からないけど
早く戦争が終わって
美味しい 珈琲がいれたい
それだけが僕の望み
___
(中井潤一/画家)
古山さんの慰問の目的は
なんですか?
(裕一)
音楽で 命を懸けて戦う人々の
力になることです
(中井)
他にはありませんか?
(裕一)
他?
(中井)
古山さんの音楽は
国民を戦いに駆り立てる音楽だ
そのことに 良心の呵責を
覚えていませんか?
自分の作った音楽が
とげになっていませんか?
もし とげを抜きたくて
自分の行いが正しいと確かめたくて
戦場に行くなら おやめなさい
戦場に意味を求めても
何もありません
_
(中井)
戦場にあるのは
生きるか死ぬか
それだけです
___
(保と恵)
逞しい
しなやかに揺れて
倒れない
まさに バンブー
___
(裕一)
譜面が怖い
(音)
あなたが 体験したこと
背負ったことは
大変だと思います
でも あなたを信じてる
私は 待つ
_
(池田二郎/劇作家)
戦争の責任を
すべて背負う おつもりか?
___
(裕一)
自分の歌に勇気づけられて
戦場へ向かう若者に
興奮していました
生きて帰る可能性も少ないのに
悲しむ家族もいるのに
信じられますか?
これが許されることですか?
_
(池田)
先生の苦しみは 到底
俺には分かりません
ただ
痛みを知ったからこそ
表現できるものがあると
俺は 信じてます
苦しんでる子供たちを
励ましてください
___
(音)
もう 自分を許してあげて!
___
(裕一)
如己堂?
(永田ユリカ)
“汝に近き者を
己のごとく愛すべし”
兄が付けました
_
(医師・永田武/吉岡秀隆)
贖罪ですか?
私は 長崎の鐘を
あなたご自身のために
作って欲しくは なか
原爆は 兵隊だけでなく
普通に暮らす何万もの命を
たったの1発で奪いました
焦土化した 長崎 広島を見て
ある若者が 神は本当にいるのですかと
私に 問うたとです
私は こう答えました
落ちろ 落ちろ
どん底まで 落ちろ
その意味 あなたには
分かりますか?
(裕一)
いえ 分かりません
教えてください
(永田)
自分で見つけることが
きっかけになるはずです
___
(永田)
自分を見つめても
見つからんのだがなあ
_
[壁の文字]
“どん底に 大地あり”
(永田の声)
私は こう答えました
落ちろ 落ちろ
どん底まで 落ちろ
_
(裕一)
希望ですか?
(頷く永田)
神の存在を問うた若者のように
なぜ どうしてと
自分の身を振り返っとるうちは
希望は持てません
どん底まで落ちて
大地を踏みしめ
共に頑張れる仲間がいて
はじめて 真の希望は
生まれるとです
その希望こそ
この国の未来を作ると
私は 信じています
(裕一)
僕も その若者のように
自分のことになっていました
(永田)
あなたは 戦争中
人々を応援しとった
戦争が終わった今
あなたにできることは
なんですか?
(裕一)
変わりません
応援する歌を 作り続けます
___
(吟/音の姉)
昔ね 裕一さんが迷ってる時
軍人は人の為だから
命を懸けて戦えるって
あなた 言ったの
あなたの誇りは
軍人である 誇りじゃない
人の為に 命を燃やせるのが
あなたの誇り
そう信じて 私は
あなたについてきました
貿易会社でも ラーメン屋でも
どちらでもいい
その生き方ができる
選択をして欲しい
___
(村野鉄男/作詞家/裕一の幼なじみ)
裕一が
どれだけ苦しんできたと思ってる?
自分だけが不幸だと思ったら
大間違いだぞ
誰もが
大変だったんだよ
皆 それ
必死に乗り越えようと
してんだよ
___
(裕一)
僕は 妻一筋です
___
(裕一)
君も 絶望を知ってる
その原因を作ったのは
僕だ
戦時歌謡に 君を誘った
久志 苦しめてしまって
本当に申し訳なかった
僕も どん底まで落ちた
でも どん底まで落ちた僕達にしか
伝えられないものがあるって
信じてる
___
(池田)
古山が何でも書けんのは
どんな題材にも
自然と感情を寄せていけるから
だと思うんだよ
何でも受け入れて 愛せる素直さは
まあ勿論 元々の性格もあるだろうけども
愛情に恵まれて育った人間ならでは
って気もするんだよな
逆に言うと そこが欠けてる人間は
自分の愛し方すら
よく 分かんないっつうかさ
まあ 難儀なもんだ
でもさ 我々には
想像力というものがあるだろ?
膨らませるのも 萎ませるのも
てめえ次第だ
___
(裕一)
僕 昔は
自分の理想の音楽
目指してました
でも 今は
音楽に 身を委ねてます
(池田)
へぇ まあ 結局
人に新鮮な喜びを与えるのは
神様の仕業ってわけかあ
じゃあ 一体 俺たちは何なんだ
何なんだって言うんだ(笑)
___
(裕一)
もう 僕の中にある音楽を
僕だけで 楽しみたいんだ
だめかな?
私の役目は 終わったんだ
次は 君たちが担ってくれ
(連続テレビ小説『エール』2020年度)
