こんにちは
いつだって 自由奔放、天真爛漫
あなたの中に、すでにいる
理想のあなたを
目覚めさせるカウンセラー
そらゆりです
ここのところ、ローマでは
もちろんサッカーの EURO 2016
で盛り上がっています
わたしは、ちょっと疲れ気味で
相変わらず
家でのんびりしていることが
多いのですが
そして、TVが壊れているので
試合のことは、忘れていたり
するのですが
突然、窓の外から
「うぉぉぉぉーーーーーっ 」
という大歓声と
「パッパッパッパッパーーーーッ 」
という鳴り物の音が聞こえてきて
「そういえば、今日
イタリアの試合だったな~」
と思い出し
やっとネットで経過をチェック・・・
といった感じです
さてさて
前回につづいて
また音楽ネタになるのですが
先日、あの
ホセ・カレーラスの
コンサートに行ってきました
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆ *:..。o○☆゚・:,。
実を言うと
3大テノールの中で
わたしが好きだったのは
ダントツで
ルチアーノ・パヴァロッティ (中央)
次いで
プラシド・ドミンゴ (右)
そして
ホセ・カレーラス (左)
の順だったので
今回のコンサートは
心惹かれながらも
最初は、パスするつもりでした
ついこの間
ローマの夏の風物詩である
カラカラ浴場での
オペラのチケットを
まとめて購入したところだったから
今回は、まあ
我慢するか~
なんて、思ってたんですよね
素晴らしいテノール歌手ではあるけれど
個人的に、特別な思い入れが
あるわけではないし・・・って
だけど
音楽情報誌に載っていた
彼のいま現在の写真が
アタマから離れず・・・
最初にその写真を見た時の印象は
ただ単に
「わ~、年とったな~」
だったんですけどね
3大テノールの中では
一番の若手だった彼も
たしか、今年で70歳
立派な、おじいちゃんです
だけど
この年老いた
今のホセ・カレーラス
とってもステキではないですか
わたしが言うのも
ほんと~に、おこがましいですが
いい歳のとり方を
して来られたんだな~と
感じました
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆ *:..。o○☆゚・:,。
キャリアの絶頂期に
白血病を患い
回復の見込みは
10%と宣言された彼
しかも、適合する
骨髄提供者がいなかったため
自身の骨髄の自己移植を
行ったそうです
その結果
奇跡的に回復
しかも
テノール歌手としても
見事
完全復活を果たしました
その後は
「 ホセ・カレーラス国際白血病財団 」
を設立し、患者さんたちの支援に
力を注いでいます
輝かしい栄光も
数々の苦難も
味わい尽くしてきた、今の彼の姿
若かった頃の彼よりも
ずっとずっと
魅力的に見えて
わたしのアタマから
離れなかったんです
彼のように
特別な人生を送った人だけでなく
人は、皆
年齢を重ねるほどに
ますます
その美しさを
増していくものなのだと
最近、つくづく
感じています
これまでは
年を取れば、そりゃあ
内面的な魅力は増すだろうけど
やっぱ見た目の美しさは
衰えていくばかりだよね・・・
なんて思っていたのですが
ここのところ
魅力的な年上の人に
出会うことが多くて
(男女、どちらも)
やっと、わたしも
ヒトが持つ
本当の美しさを
自然と
感じられるようになってきたようです
で、当日の夜になって
「行きたいな~」の気持ちが
とつぜん満タンになり
「やっぱり、行こう!」
に切り替わりました
ネットで確認してみると
けっこう当日券もあるようなので
とりあえず
会場への行き方だけを確認して
急いで家を飛び出します
(って最近、バタバタと思いつきだけで
飛びだしてばっかり
また、ケガしたりしないよう
気をつけますね~ )
こちらでは
コンサートなどの開演時刻が遅く
この日も 21:00 開演 だったので
無事、間に合って
当日券を購入
今回は2階の最前列の席にしました
「野外の会場だったのね・・・」
と入場してから、やっと気づきます
そんなことも、なんにも確認しないまま
とりあえず
急いでやって来たもので
21:00の開演5分前、というのに
この空の明るさ
(夏のヨーロッパは
日が暮れるが遅いのです)
そして、客席は
まだガラガラ
とりあえず、15分は
遅れて開演するのが
当たり前
みなさん直前まで
会場に併設されている
バールやリストランテで
それぞれに
アペリティーヴォやディナーを
のんびり楽しんでからやって来ます
ようやく
会場の照明も落とされて
オーケストラの演奏が始まり
いよいよ
ホセ・カレーラスの登場です
彼がステージに出てきただけで
まずは
敬意を表して
1階席のお客さんたちほぼ全員が
スタンディングオベーション
はやくも
「ブラヴォー 」
の声がかかります
そう
ただ出てきてくれるだけで
すばらしい
それほどまでに
偉大な、偉大な歌手なのです
にしても
実際に、目の前にいる彼は
パンフレットの写真よりも
さらに
おじいちゃんに見えます
大丈夫かしら??
なんて、こちらの勝手な心配をよそに
いざ、彼が歌い始めると
会場の空気は一変
一瞬で、こころを
鷲づかみにされて
ぐいぐい引き込まれます
圧倒的な歌唱力と
素晴らしい声量
この声が
あのおじいちゃんから出ているなんて
し、信じられないっっっ
あまりの感動に
つい
「今の年齢で
これほどの素晴らしい歌声ならば
絶頂期と呼ばれた時期は
いったい
どれほどのものだったんだろう 」
なんて
野暮な考えが
浮かんだりもしましたが
今の彼の声が
若かりし頃の歌声と
まったく同じではないであろうことと
同様に
若かりし頃の彼にも
今の彼の歌は歌えなかった
ですよね
どちらが優れているか
なんて考えるのは
きっと
意味のないこと
休憩に入るころには
さすがに 「夜」 になりました~
この日は、けっこう風もあり
正直かなり寒かったです~
ブルブル
人気のないところで
急いで自撮りしてみましたが
顔面が冷え切っているもよう
(休憩明けは、なごやかな雰囲気
歌が始まるまえに、急いで写メ!)
共演のソプラノ歌手
グラディス・ロッシも
のびやかな歌声と
豊かな表現力を持つステキな方でした
後半も
すばらしい歌声を
つぎつぎと
聴かせてくれたおふたり
こちらも
気持ちを込めて
できる限りの
盛大な拍手をしていたので
手が痛くなっちゃいました
2度目のアンコールが終わり
さすがに
客席のライトも点いて
みんな、それぞれに帰り支度を
(平日の夜だったので
地下鉄が早く終わってしまうためか
実は、アンコールの途中から
帰り始める人も、けっこういました
「こんな貴重な機会を…
もったいなーい」 ですけれど
みなさん、それぞれの
事情がありますものね)
まだ夢の中にいるような
ぽわ~んとした気持ちのままで
わたしも席を立ち
移動し始めた時
信じられないことが
ホセ・カレーラスが
観客の拍手に応じて
再び
歌い始めてくれたのですっ
会場にいた人たちも
これには
ビックリ
そしてもちろん
大喜び
みんな急いで
ステージがよく見える場所へと
駈け寄ります
このころには
お客さんたちみんな
自由勝手に堂々と
写メも動画も、撮りまくり~
しかも、この
アンコールのアンコール
このあとも
何度も、何度も
続いたんですっ
奇跡ですっ、奇跡っ
わたしも
いそいで、1階に降りて行き
ステージの近くへ駈け寄ります
(そして、写メをパシャパシャ )
なにが
すごいって
超・超・超 大御所である
ホセ・カレーラスが
客席の照明もつけられた
そして
すでに、けっこうな数のお客さんが
帰ったあとの会場で
目の前で
写メ やら 動画やら
勝手に撮られまくりながらも
イヤな顔ひとつせず
そして、手抜きも一切なしに
最後の最後まで
魂のこもった
渾身の歌声を
披露してくれたこと
彼の
誠実な人柄と
歌に対する情熱に
胸がいっぱいになりました
ローマ市民も
すっかり感極まった様子で
前後左右にいる人同士
しきりに
顔を見合わせて
「すっっっばらしいね 」
「しんじられないねっっ 」
と喜びに満ちあふれた表情で
この奇跡の時間に居合わせた
お互いのしあわせを
分かち合います
ほんと、みんな
あまりのことに舞い上がって
ビシッとスーツできめた
50代くらいの落ち着いた紳士・・・
に見えていた人でさえ
歌っているホセの
すぐ目の前で
ステージに背を向け
ホセをバックに
自撮りしたりしています・・・
自由すぎる~
それでも
ホセは
気にもせず
素晴らしい歌声を
たっぷり、たっぷり
聴かせてくれました
観客からは
「ブラァァァヴォォ、ホセ 」
の声だけでなく
「グラァァァァツィエ、ホセ 」
の感謝の声がひっきりなしに
かけられます
映像や、音源だけで
聴いていたら
知ることのできなかった
ホセ・カレーラスの
真の偉大さに
ふれた夜
超一流であり続けるということは
目の前にいる人を
幸せにするために
自分の持てる才能を
惜しみなく、ただ、惜しみなく
すべて
出し切ることが
できる人
そして、それを、どんな状況でも
し続けることが
できる人
なんですね
今年、70歳を迎える彼
自身のキャリアが
終わりに近づいていることを
本人も日々
感じていることでしょう
歌っているとき以外は
どちらかと言えば
ちょっと気難しそうな表情を
していることが多い彼ですが
この夜の公演中には
ホセ自身、何度か
「感無量」
といった表情を浮かべたように
思ったのは
わたしだけでは、ないハズ
そう、彼にとっても
きっと
現役で歌っている
一瞬、一瞬が
かけがえのない時間なのですよね
自分の歌で
目の前にいる人たちの顔が
きらきら、きらきらと
まぶしく輝きはじめること
どちらかが
もらうばかりではなく
おたがいに
しあわせを
手渡しあう
彼が現役でいてくれる間に
もう一度
彼の歌を
生で聴きたいっ
と強く強く、思った夜でした
Grazie, Josep Carreras !
Bravissimi !!!
「相手に知らせて」で登録して頂けると
とっても嬉しいです ( ´艸`)♪