『トイレの神様』は当分聴けないvol.11 | 縁。 

縁。 

おはようとおやすみと。ただいまとおかえりと。

納骨に、火葬場へ戻った。

私は、後ろのほうで見ていた。


これがもう少し遠い関係であれば

きちんと納めさせてもらって、

手を合わせなきゃいけないんだと思う。

それが礼儀であるのだと思う。


ただ、正直、

おばあちゃん身体だったものの灰を集めても、

私には意味が無いような気がした。

人の身体が燃えたあとを見て泣けるような感情は無かった。


そこにおばあちゃんはいない。


それが私の答えだったと思う。


その場にいるとしたら、

いちばん後ろで様子を見ていた叔母と私の横にいるであろう。


たったそれだけのこと。



帰って、

お墓におばあちゃんの身体だったものを納めに行ったけど、

私はご辞退させていただいた。


実家の自室で、喪服を脱いで、

ベッドに横になった。


限界を超えた心と体が、やっと解放された瞬間。



私は涙を流すことも忘れていたんだと思う。





『トイレの神様』は当分聴けないvol.12