現在ロングラン中で、「感動した」という声が多いので観にいったのですが、感想が書きにくい。

歴史物。両国の関係複雑な折、内容の紹介中心です。

 

 

不運な映画??

不運な映画と言われている。・・・。その訳は。

 

この映画は、北京にある「清華大学」の創設100周年記念映画である

清華大学は、中国を代表する大学のひとつで、特に理系はトップという位置づけである。

もとは、アメリカからの資金で作られた大学で、義和団の乱(1900年)の時、北京の街がひどく破壊された。アメリカからもらった賠償金の中から資金を拠出して1911年に作られたのが最初である。

 

その「清華大学」100周年記念だというのだが・・・。

この『无问西东』は、まず2011年に、同大教授の尹鸿(イン・ホン)氏が計画を始め、翌年の2012年年末にはすでに撮り終わっていた。しかし、なぜかずっと公開されなくて、2018年(今年)になって公開された。

すっかり100周年という時期を逃してしまい、(というか計画始めたのが遅い?)、さらに、韓寒(ハン・ハン)という有名作家が、SNSで「清華大学の映画なのに、今年の北京大学120周年の年に公開されちゃったね〜」とUP。そのユーモア溢れる(?)つぶやきは、あら〜、そうか、不運な映画だね、と言われるようになってしまったという。

 

 

4つの時代

しかし、話しは多くの中国人の心を捉えたようで、ロングランのヒットとなっている。

見終わった後、隣の若い女性が「好感動了!」(すごい感動したわ)言いながら立ち上がっていた。

1月末までの売り上げは、約6億元(約100億円)!!

 

ストーリーは、4つの時代に渡っている。

20年代、40年代、60年代、現代。

実在の人物がたくさん出てくる。エンディングロールでは、7分間に渡り、映画に出て来た有名人を(主に学者)を紹介する。それは、確かに、清華大学ってすごいなあ!!!と思わせてくれるのに十分だ。

 

 

 

あらすじ

話しは現代から始まる。

張果果 ;チョウ・ゴウゴウ(張震;チョウ・チェン)は、広告代理店(だと思う)のやり手だったが、失敗をして転職、でも転職先でも高級取り。

 

 

粉ミルクの安全性を調べているうちに知り合った四つ子の家族に同情して、病院のお金やらなんやらを援助する。

すると、名付け親になってくれというので、深く考えず、真心から四つ子に名前をつけると、名付け親はもう家族なんだからと、会社まで押しかけて来て金をもっと援助してくれと要求されるようになる。

 

*この後、時間軸が行ったり来たりするのだけれど、長くなるので時代毎にまとめてみます。

 

20年代。

呉岭澜;ウ・リンラン(陳楚生 チェン・チューシェン)は、真実とは何かをいつも考えている。すごく優秀だが、天才肌というのか、得意科目が偏っている。それで、文系に転部しようかと悩み、学長の梅贻琦;メイ・イーチー(祖峰;ズーフン)に相談をする。 そして、立派な学者となり、多くの学生を育てる。

 

 

40年代。

戦争の時代、北京は危ないので、精華大学は雲南省に引っ越していた。北京大学、天津の開南大学と一緒になって、西南連合大学といった。(←有名な話し)

設備は簡素だが、精鋭の教授たちと優秀な学生たちが集まっていた。(20年代の主人公、呉岭澜も教授となって登場する)

 

沈光耀;チェン・グアンヤオ(王力宏;ワン・リーホン)は、裕福な家に育ち、優秀な学生だったが、戦火が迫ってきて、志願してパイロットになる。母親は、大反対。でも、母親には内緒で志願してしまう。(母親は、広東語。この頃はまだ共通の中国語よりも、地方の言葉が強かったことが分かる。)

 

王力宏、帰国子女なので英語の台詞もネイティブ

 

パイロットの訓練は厳しく、協力しているアメリカ人が上官である。沈光耀は善良で優しく、上官の目を盗んでは、勝手に貧しい村に食品を配ったり(空から投下)しては、罰を受けていた。

そして、大決戦の時、戦況が悪いことを悟り、自ら敵の軍艦につっこんでいく。

 

 

ここは、引っ越した大学の学生たちの生活や授業の様子など、大学の苦労と情熱に胸打たれるパートです。清華大学の記念映画として、大学の変遷がよく分かる。

 

 

60年代。←ここが話しの中心。

幼なじみの3人。王敏佳;ワン・ジャーミン(章子怡;チャン・ツーイー)は病院の薬局の仕事、李想;リ・シャン(铁政;ティエ・ジェン)は医者、陳鹏;チェン・ホウ(黄晓明;ホアン・シャオミン)は精華大学の学生だ。

李想と陳鵬は、王敏佳を巡っての三角関係でもある。

 

黄晓明;ホアン・シャオミン。

 

学生時代の恩師が、奥さんからDVを受けていたので、王敏佳と李想は手紙を書いて上層部に訴えることにした。先生の筆跡を真似て書くのだが、結局、王敏佳が書いたことがばれてしまい、病院を首になってしまう。そして、他にも嘘ついていただろうと追求され、集会で吊るし上げられ群衆に殴り殺されてしまう。

 

李想は、一緒に手紙を書いたのに王敏佳1人に罪を背負わせて逃れてしまい、陳鹏が大学の研究所から助けに来た時には雨の中地面に横たわる王敏佳の姿が。

陳鹏が、林の中で墓穴を掘っていると、王敏佳が息を吹き返した。陳鹏は、王敏佳は死亡したことにして、こっそり自分の生まれ育った村に連れて来て、ここで暮らせば大丈夫だから、自分が帰ってくるまで待ってるようにと言うのだが。

 

全然歳をとらない章子怡;チャン・ツーイー。

 

 

と、そんな話しなんです。

内容に突っ込むのは、止めとこう。

でも、中国の近代の歴史(の一面)を知るには、とても興味深い映画です。

 

また、最後、7分間の有名な卒業生の方々のエンドロール。

なかなかおもしろいので、必見です。

 

↓↓ この方々が、ひとりずつ紹介される。

 

 

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