どストライク、王道ロマンチックコメディ!!!

 

ドジでまぬけなヒロインは、ホテルのシェフ。

お相手の男性は、そのホテルを買収しにきた2代目のおぼっちゃま。

2人の出会いは最悪。

でも、ヒロインの作る料理に魅了されたおぼっちゃまは、それ食べたさにヒロインの家に転がり込んでしまうのだが・・・。

 

 

主演の周冬雨(チョウ・ドンユイ)は、『山楂树之恋』(邦題『サンザシの樹の下で』)で張芸謀(チャン・イーモー)監督に見いだされた”チャン・イーモーガール”の1人。

とびきりの美人というわけではない。むしろ、それが”武器”なのかもしれない。人を惹きつけるなんとも雰囲気のある女優だ。最近は、この映画のようなはじけた役柄が多いが、それを不自然に見せない演技力がある。

 

そしておぼっちゃま役は、金城武(かねしろ たけし)。

日本で先にデビューして人気があったが、日本と台湾のハーフで中国語がネイティブに話せるため、現在は主戦場を中華圏に移して活躍中。←残念・・・。

”おぼっちゃま” というには少し年とってるが、それがこの役柄には合っている。意固地で融通の利かないまま独身できちゃった感じがよく出ている。笑。

 

この主演の2人のおかげで、この映画はふわっと優しい、いい後味にできあがっております!!

私、金城武のファンなので、ほんといいもの見れて幸せです!←笑、ここ重要。

 

 

あらすじ

路晋;ルー・ジン(金城武;かねしろ たけし(ジンチャン・ウー))は、実業家の父親の後を継いだ大金持ちのおぼっちゃま。食にこだわりがあり、まずい料理は受け付けない。まずかったら、その場で吐き出してしまう嫌なやつ。

 

 

 

夜中にインスタントラーメンを食べる時、水の分量や時間をきっちり計って作る。

ちなみに、映画中のラーメンは日本の出前一丁〜。

 

 

 

 

ある日、路晋;ルー・ジンが食事を終え駐車場に行くと、自分の車のボンネットを引っ掻いて傷つけている女性がいた。

それが、顾胜男;グー・シェンナン(周冬雨;チョウ・ドンユイ)だった。

 

書かれていた言葉が、「狗男女」。「狗男女」とは、ろくでもない恥知らずな人をののしる言葉。「くそ野郎」ってかんじでしょうか。

 

 

「何してるんだ!」と怒る路晋。

 

 

顾胜男;グー・シェンナンは、友人のために、友人を振った男に仕返しするつもりだったが、実は、車を間違えていたのだ。

それで、ごまかすためにやったのが、「狗男女」を「狗男♡好」(犬男♡いいね)に書き換え。←爆笑

 

そんな最悪な出会いだったが、2人は再び出会うことに。顾胜男は、路晋が買収する予定のホテルのシェフだったのだ。

道晋は、買収を決定するまでホテルに泊まり込む。食事を頼むと、いくつか出てきた料理の中で、ただ顾胜男の作ったものだけが口に合った。今後は、このシェフの料理だけ運ぶようにと支配人に命令。

 

 

 

 

この時には、路晋は、料理を作っているのが顾胜男だとはまだ気づいていない。

ただ、夜中に酔っぱらった顾胜男が路晋の部屋のベランダに落ちてきたり、なんでこの女ここにおるの?というようなドタバタ状態が続き、不思議に思っていた。

そして、ある日、これを作ったシェフを呼んで来いというと顾胜男がやってきた。

 

路晋は、「料理は作っていいが、俺の半径50メートル以内に近づくな。疫病神!」と、警報がなる時計をはめさせるのだが、ある日、顾胜男が仕事を休んだため、彼女の料理が食べられなかった。

 

 

 

 

路晋は、顾胜男の料理食べたさに、突然顾胜男のアパートに押しかけていってしまう。

路晋はホテルの命運を握る人物だから無下にはできず、顾胜男はとりあえず料理をるのだが、その日から路晋は、なぜか顾胜男の部屋に住みついてしまうのだ。

 

そして、今までは、誰かと一緒に食卓を囲むのがきらいで常に1人で食事をしていたのが、だんだん顾胜男と一緒に食事をするようになる。

 

 

 

 

急接近する2人だが、ホテル買収が決まると、ここでの仕事は終わったから と路晋は顾胜男の前から姿を消してしまう。

顾胜男は、悲しくてやりきれない。今度は、自分が路晋の家へと乗り込んでいく。しかし、そこには、超美人!のおかかえシェフがいた。(超美人シェフは、林志玲;リン・チーリン)

 

恋人にはなれなくても、せめてシェフとして彼の側にいたいと望み路晋のもとまで来た顾胜男だったが、路晋の対応もそっけなくて、顾胜男の心は深く傷つき・・・・・・。

 

 

おいしい料理

よく「その男を落したかったら胃袋を掴め=おいしい手料理を食べさせろ」と言われるが、この映画はそういうことではないようだ。

 

顾胜男はシェフだから、自分の料理をおいしいと言って食べてくれる路晋に好意を持つのは当然だし、路晋の家に押しかけた時も、彼のお気に入りの料理を作れる私を雇わないわけがないという密かな自信があったに違いない。

 

しかし、7年前から毎日3食作ってます、という美人シェフが運んできた料理が、顾胜男が路晋に最初に作って気に入られたメニューと同じだったのを見た時に、なんだ、他の人が作っても美味しく食べてるんだ、という衝撃に変わる。彼のお気に入りシェフは、私だけじゃなかったの?

 

その上、ホテルの厨房のスタッフは総入れ替え、つまり、首になってしまう。

ショック過ぎて、自分の存在意義を見失ってしまうのだが、実は、路晋は顾胜男の別の一面に惹かれていたのだ。

 

路晋は父親から厳しく育てられ、なんでもきっちりしていないとダメな性格だったのだが、いい加減でテキト—な性格の顾胜男に影響され、潔癖性から徐々に抜け出していく。むしろ、自分が育った環境が異常だったのだと初めて気づく。

 

やっぱり、人を好きなるって、料理ではない。人格と人格とのぶつかり合いなんだな。

手料理が上手だったらポイント高いけれど、それは入り口にしか過ぎないのかもしれない。

最後には、人としての魅力や相性で結ばれる。

 

前半は、ドタバタコメディの爆笑シーンが詰め込まれていて笑いが絶えないけれど、しだいに、ドジな顾胜男の本当の魅力に観客の私たちも気づいていく。そして、意固地な路晋の心が柔らかくなって、私たちの心もほっこりするのだ。

後味のよい映画。晴れた日に見るの、おすすめです。

 

 

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