ブルガリア旅行の記事も、これが最後。
ブルガリアには、9つの世界遺産がある。
首都のソフィアからは、「ボヤナ教会」と「リラの僧院」の2つが見どころである。
「ボヤナ教会」へは路面電車とバスと歩きで行き、「リラの僧院」は車をチャーターして行った。
ボヤナ教会
世界遺産というのは、遺産を保護する意味であるとともに、観光業のため、地域振興のためにあるのかと思うこともあるのだが、ブルガリアでは世界遺産はあまり重視されていない様子だった。
「ボヤナ教会」へ行くとき、標識が少なすぎて道に迷った〜。笑。
路面電車の2番に乗って終点で降り、国立歴史博物館を見学まではよかったが、
地図で見たところ近そうだったので(目測3キロ)、博物館から歩いていこうとしたら、まず、とっても急な上り坂が続く。地図は平面なので分からなかったのだ。笑。
そこで体力を消耗しつつ、でも、なによりも標識がない。行く方向に迷うと、疲れも倍増。
バス停にいた年配の女性に聞いたら、「このバスに乗れ」。
かなりまだ大変だというので乗ってみたら、バス停は3つだけだったものの、すっごい急勾配の上り道。
そして、いわれた通り終点で降りたけど、そこにもまったく矢印や標識なし・・・。
世界遺産なのに、この扱い・・・。
そして、世界遺産の教会というので、こんなのを想像していたら、↓↓↓
ソフィア市内の聖ニコライ・ロシア教会 と アレクサンダー・ネフスキー寺院
しかし、「ボヤナ教会」は地味でした。
世界遺産という看板もなく・・・
やっと見つけた入り口前で立ち話しているおじさんたち。
中に入ると、こんな林。癒されるわ〜、でも、まだ建物も見えず・・・。
中へ進んでいくと、これが「ボヤナ教会」でした。
地味だなって思ってしまったのだけれど・・・。すみません。
これは、11世紀に作られ、その後、13世紀と19世紀に2回建て増しされた教会で、中は壁と天井に隙間なくフレスコ画が描かれている。
そのうち13世紀に描かれたフレスコ画が、中世ブルガリア美術の最高傑作と言われ、世界遺産に指定されたブルガリアの宝なのだ。
中のフレスコ画は、写真撮れないのでここでお見せできないのだが、すごい迫力でした。ブルガリア正教のことはほとんど知らないのだけれど、熱心に信じないとこんな描けないと思った。(これは、「リラの僧院」も同じ)
帰りは、バスで博物館まで下り、路面電車で帰りました。
「リラの僧院」
こちらは遠いので、ホテルで頼み、英語のできるドライバーと車をチャーターして行ってきた。
2人で300ユーロ。もしくは、現地通貨の300レヴィでもいいと言われ、レヴィで払った。(安くはないが、車はベンツで、ガイドの話しは面白く、僧院では受付に顔が利き、特別に閉鎖になってたイコンギャラリーなどにも入れてもらったので満足〜。笑)
でも、ガイドさん苦労しているようで、話しによれば、大学では機械工学を学んだけれど、就職できる企業がなくて、今は英語を活かしてガイド&運転手をしていると。ブルガリアの失業率は、現在30%もあると聞いてびっくりした。彼は、共産主義の時代に、ブルガリアの企業も産業もみんな壊されてしまった! だから、こんなになってんだ!!と憤っておられました。(正しいのか分かりませんが・・・)
こんな山の中を、登っていく。
2時間ほどで到着。
だが、ここも世界遺産だけれど、周囲は駐車場も整備されてなく、砂利のボコボコの急斜面に車をぎりぎり停めたりして、ブルガリアの世界遺産への力の入れ方が日本や中国等とは違うなあと。
こちら「リラの僧院」は、10世紀に立てられたブルガリア正教の総本山。
14世紀に皇帝の庇護を受け、ブルガリアの宗教と文化の中心となった。
しかし、その後、ブルガリアがオスマントルコに支配されると、キリスト教やブルガリア語が禁止となる。その時にも、この僧院だけは、ブルガリア語の書物を読むことが黙認されていた・・・と、ガイドブックに書いてあったのだけれど、(『●○の歩き方』)、ガイドの説明によれば、3度オスマントルコに襲われて破壊されているという。そして、その後3度立て直した。
常時、40人の兵士が守っていたという。
入り口から入ると、中は広い。
周囲の建物には、360の部屋。ここで多くの僧が寝起きしていた。
トルコの建物と内装は似ている。
(この部屋は、特別に開けてもらって見学できた。ガイドさんのおかげ、ありがとう。)
6階建ての塔。
今は土産物屋できれいになっているが、昔は、見張り台。オスマントルコからの攻撃に備えていた。上まで登れる。
そして見どころは、教会の中にも外にもびっしり描かれたフレスコ画。!!
こんな埋め尽くさないといけないのか。情熱に気圧される思い。
これは↓↓、「奇跡のマリア」といって、願いが何でも叶うという伝説の絵柄のレプリカ。外廊下にある拡大版があり、これはその写真。
本物は、教会内にガラスケースで保存されている。
ブルガリアの外、ロシアやギリシャやマケドニアや、近隣の国々から多くの人が拝みにくるという。
ガラスケースにキスしてるんですよ。みんな間接キッスです。
2時間ほどしっかり見学。
帰りは、この地方名物の鱒の料理。
シンプルに焼いてもらった。新鮮でおいしいけど、塩気がゼロ〜。笑。
私と主人が卓上ソルトをかけたら、ガイドさん、びっくりした顔して見てた。笑。
ブルガリア旅行紀は、これでおしまい。
料理はちょっといけてなかった、(ヴエリコ・タルノヴォで会ったアメリカ人のおばさんは、「食べ物がまずいから、毎日ピザしか食べてない」、と首をすくめてたけど、そこまででもないと思う。)でも、空気もきれい、水は水道から飲める、人は親切。安全。旅行しやすい国。
とても癒されました。