「この夏休み、1番スカッとするアクション巨編」
というコピーがついているこの映画。
ほとんど、マカロニウェスタンだった〜。笑。
2つの勢力が争っている動乱の街に流れ者がやってきて、
街の人たちを助けて去って行く・・・。
例えば、有名なマカロニウェスタンの『荒野の用心棒』(1964年制作:監督はセルジオ・レオーネ、クリント・イーストウッドが世界的にブレーク)も同じ作りだ。
(『荒野の用心棒』は、黒澤明監督の『用心棒』(1961年公開)が下敷きになっているというのはよく知られた話しで、日本でも、任侠もので同じようなパターンが踏襲されている。実は、メイドインジャパンのストーリーなんだけど。)
この『危城』は、この流れ者ストーリーの中でも、”勧善懲悪”が強調されていて、確かにカタルシスがある。
深読みしたら、時代劇の形をとって、現代のこの国を風刺してんの? とも思ったりしかけれど、まあ、あまり深く考えずに観た方が楽しいに違い。
あらすじ
国内は、南軍と北軍の軍閥が戦い、内戦状態の時代。
普城(という街)は、自衛団を結成して街を自衛していた。
南軍(だったと思う、違ってたらすみません)に襲われた隣町から、たくさんの難民が押し寄せ、普城はそれを受け入れるのだが、その中には、小さな学生を連れた女性教師の姿もあった。
彼女は、南軍の将軍の息子が狂ったように人を殺しているのを目撃していた。それで、逃げる途中で出会った流れ者の男性に、もし何かあったら子供たちをお願いすると頼むのだった。
白い服が女性教師・白玲;バイ・リン(江疏影;ジャン・シューイン)
左は自衛団長の奥さん(袁泉;エン・チュアン)
马锋(馬鋒)マー・フン(彭于晏;エディ・ポン)は、元は軍隊で高官を守る仕事をしていたが(SPみたいなかんじ)、高官たちが民百姓を虫けらのように扱うことが許せず、仕事を辞め流れ者になっていたのだった。街に来たのは偶然。
難民を受け入れた翌朝、1人の男がやってくる。彼こそが、北軍将軍の息子の曹小爷(小爷は、若旦那とかお坊ちゃまというような意味)(古天乐;ルイス・クー)。
彼は、ピストルで女性教師やラーメン屋の主人、子供を打ち殺してしまう。理由なんかない。人殺しが好きなのだった。将軍の息子なので、何をしても許されるのだ。
自衛団の団長・杨克难;ヤン・カーナン(刘青云;ラウ・チンワン)は、曹小爷を捕まえて、明日の朝、処刑すると宣言する。
するとそこに、北軍の警備隊長・张亦;チャン・イー(吴京;ジャック・ウー)がやってきて「曹小爷を返せ」と言うのだが、団長は断固拒否。うちの街のルールでやってるからと。
北軍の警備隊長は一旦引き下がるのだが、曹小爷を開放しないなら、明日この街を攻撃すると言い残していく。
右は普城の団長。演じるのは刘青云;ラウ・チンワン。頑固に正義を貫く。
白服で捕まってる曹小爷は、古天乐;ルイス・クー。悪役も似合う。笑。
2人とも、香港映画ではおなじみの顔ぶれだ。
結局、朝には曹小爷を開放することになった。
というのは、街のみんなが、北軍に攻撃されるのはいやだから、彼を逃がそうと言ったからだ。自衛団長は自らその役職を降り、自衛団は解散。
それで街に平和が来るのかと思えば、さにあらず。
牢から出た曹小爷と北軍は、普城を占領し、町民を殺して財産を強奪し始めた。
町民たちは、自分たちの考えの浅さに気づくのだけれど、後悔先に立たずだ。
马锋は、女性教師から頼まれた通りに子供たちを別の街に送り届け、普城に戻ってきた。また、一時はバラバラになった街の自衛団のメンバーも戻ってきた。
ここから、みんなが力を合わせての反撃が始まるのだった・・・・・・。
狂気の演技
古天乐(古天楽);ルイス・クーは、ラブロマンスではイケメン好男子だし、香港映画お得意の警察・犯罪ものでは、正義の警官も演じるし悪役もこなす。アクションだってかっこいいし、ほんと幅広い演技力だ。
しかも、45歳という微妙な年齢なんだけれど、体型が若々しくてかっこいい。
その古天乐の曹小爷、ぞっとしました。
目つきが、怖すぎる。狂気の殺人鬼。
でも、権力者の父親の権勢を借りているお坊ちゃまなので、どこか甘くて脆い所もあり、その狂気と弱気のいったりきたりの演技が、ほんと凄みがあったわ。
昨日書いた『使徒行者』でも主演の1人だったし、この映画も重要な役所というかほぼ主役の1人、そして来週公開が始まる映画のポスターにも出てたけど、どんなに売れっ子で、どんなスケジュールになってるの? 忙しすぎるでしょう・・・。
そして何よりわたしが感心するのは、古天乐の出演する映画って、ほぼ80%以上は面白いことだ。ハズレなしですよ。自分で選ぶのか、マネージャーが選ぶのか。
出演者に古天乐が入ってたら、まず観に行こうかなと思うもの。
この映画も、当たりです。
観て損なし。
*写真は、百度からお借りしています。
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