香港のアイドル映画
香港では、1984年に公開された。それが、今中国大陸で上映中。

出演者は、80年代に香港で輝いていたスターたち。
まず、张国荣(張国栄・レスリー・チャン)。
歌手であり、俳優。なんといっても、って私の趣味ですが、『さらば、わが愛/覇王別姫』(監督は陳凱歌、チェン・カイコー、カンヌ映画祭でパルムドール受賞)での繊細な演技が素晴らしかった。そして、歌も大好き。たまに、中国の歌番組で彼が歌っていた録画が流れるのだけれど、前後の歌手と”吸引力”が全然違うと思う。残念なことに、2003年に香港のホテルから投身自殺してしまった。当時、大ニュースだった。

そして、相手役は、今も活躍している张曼玉(張曼玉、マギー・チャン)。
代表作は、(これも私の独断で、笑)『花様年華』でしょうか。もちろん、他もいい映画が多数。
今も美しいですが、この映画では、若くて顔がまん丸。笑。それが愛くるしくて、かわいらしい。
尊敬するのは、2年前に、突然ロック歌手として再デビューしたこと。もう十分実績があるのに、若いときからの夢だったといって、48歳でロックを歌って、音程が悪いって酷評されていた。笑。でも、がんばるって。だから、スターなんでしょう。

さらに、3人目も香港の大スター、梅艳芳(梅艷芳、アニタ・ムイ)。
歌手でデビューし、その後女優業に進出。ジャッキー・チェンの『ポリスストーリー』をはじめとして、コメディーテイストの演技が得意で、たくさんのドラマや映画で活躍した。見た目は、宝塚の男役のような印象ですよね。張国栄と同じ2003年に、癌で亡くなった。

この3人が共演というだけで、話題だったことは想像できる。実際に、香港では大ヒットした。
が、なぜ今大陸で公開されているのかは不明・・・。


*追記;今年は、張国栄が行きていたら還暦だということでの特別上映だそうです。
    あきちゃんさんに教えていただきました。詳しくは、コメント欄をご覧ください。


トレンディドラマ?
内容は、まるで80年代日本のトレンディドラマみたいだった。
主題歌?が、レスリー・チャンが歌う吉川晃司の『モニカ』なのに、衝撃受けました。笑。もちろん、日本語ではありません。でも、メロディーが聞き覚えがある~と思って納得。そういえば、レスリー・チャンのヒット曲の1つが『Monica』なんです。
そしてこの映画の中で、レスリー・チャンが恋する相手の女性の名前が、”モニカ”。
ということは、曲のヒットを受けて作られた映画なのかなと、想像できる。

でも、正直、何が言いたいのか分からなかった・・・。10回分のテレビドラマを、2時間に縮めたようなかんじもした。
これは、好きなスター(当時は、3人ともアイドル)を見に行く映画なんだろうと思う。映画の出来不出来よりも、スターを見る映画。

正直、ちょっと辛かった。
というのは、前日にはレオナルド・ディカプリオがオスカー獲った『レヴェナント: 蘇えりし者』を観たばかりだったから。その衝撃が覚めやらぬまま、アイドル映画のトレンディドラマをどうみたらいいのか、分からない感覚だった。そのくらい『レヴェナント: 蘇えりし者』は、衝撃的だったということなんだけれど。

『レヴェナント: 蘇えりし者』の映画の感想は多くの人が書くだろうから、私は書かないけれど、オスカー獲るとかいう以前に、映画への情熱に圧倒されたわ。『美人魚』がおもしろいなんて言ってる場合じゃない。戦う土俵が違いすぎる。

ま、ともかく、話しは『縁分』に戻って、なんで今公開(3月25日から)されてるのか、ほんと不明・・・。
深く考えずに見に行って、いろいろ言っちゃいかんのだけれど・・・。

あらすじ
陳保罗(ポール)(レスリー・チャン)は、出勤第一日目、地下鉄の中で落とした小銭を拾ってくれた莫妮卡(モニカ)(マギー・チャン)に一目惚れをする。同じ車両に乗るのだけれど、隣に座っていた安妮(アニー)(アニタ・ムイ)にからかわれて、かっこ悪い姿を見せてしまう。

それでも、ポールは翌日からモニカに近づこうと、地下鉄で待ち伏せをしたり、職場へ着いていったり、ほとんどストーカー。
彼をからかったアニーは、なにかとポールに付きまとってくけれど、ポールはアニーには目もくれない。しかし、アニーは裕福な家の娘なので、彼が困っている時には何かと助けてあげる存在になる。(このアニーの関わりが、よく分からなかったのよね・・・)

一方、モニカは、職場の上司と付き合っていたのだが、既婚者だったため辛い分かれをしたばかりで、職場も新しく変わったところだった。彼女は、はじめはポールのことをうさん臭く思うのだが、不器用で誠実で一生懸命なポールに、しだいに癒されていくようになる。自然と2人は付き合うようになり、将来は結婚しようという話しにもなる。

しかしその時、モニカの元カレが離婚したと聞き、モニカの心は揺れ始めた。
モニカは、ポールに分かれましょうと告げる。
あなたと付き合っていると離婚した元彼に悪いし、彼と付き合ったらあなたを傷つける。どちらとも、付き合えない。だから、分かれましょう・・・。

逃げるモニカを追いかけるポールに、モニカが「じゃあ、これから10分経ったら、私を捜しに来て。終電までに私とまた会ったら、2人は縁があったってことで、会えなかったら縁はなかったことにしよう」と言う。
そこはちょうど地下鉄への降り口の階段の上で、階段を駆け下りていってしまうモニカ。
「こんな広い場所を探せって、無理だろ・・・」と困惑しながら、まじめなポールは10分待って下へと駆け下りていった。

地下の通路やホーム、ホームとホームを結ぶ階段などを探しまわり、来た車両に乗っては降りることを繰り返すポール。そこにアニーも加わって、3人のかくれんぼのような追いかけっこが始まるのだけれど、地下は広くてポールはモニカを捜しだせない。モニカは、本当にポールと分かれるつもりで、地上に出てしまっているのだ。

これでいいんだと思おうとするモニカだが、涙があふれて止まらない。その時になって、彼女は始めて自分の本心に気づく。そして、終電の時間ぎりぎりに、再び地下鉄のホームに戻って来るのだけれど、ポールの姿はなく・・・。


香港で地下鉄が開通したばかりのタイミングだったようです。だから、地下鉄を使ったラストシーン。笑。

上の方でいろいろ個人的に言ってはおりますが、実は劇場はほぼ満員だった。
しかも、観客からの評価点は7.0点と高い。
やはり、固定ファンがいるのでしょうね。


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