暖かくなったり寒くなったり、不安定な気候ですが、みなさまお元気ですか?
体調を整えるために! 最近は早寝しておりました。ブログの更新ができなくてすみませんでした。
最近は、少しハードに運動すると、身体がバキバキになって回復が遅~~い。笑。はあ・・・。
でも、身体を鍛えるのは大切ですよね。

と思いながら見たのが、この『叶问3』(邦題:『イップマン3』)。
“叶问”、(日本語的には”葉問”)、というのは、実在のカンフーマスターの名前だ。(1893年10月1日生まれ—1972年12月1日逝去)。

映画は人気シリーズで、もう3作目だ。
このシリーズは1、2、3と、とにかく戦う。
カンフーシーンがずっと続く印象なのだが、主役はもちろん、脇役からその他大勢まで、身替わりスタントなしじゃないですか? だって、出演者はみんな俳優兼スタントマン。笑。

出演者たちが(たぶん)子供の頃からずっとカンフーで身体作ってきたんだろうな、少林寺で修行してきたのかな?笑、だから、こういう迫力の映画が撮れるのよね・・・と、改めて感心しきりだった。
例えば、主役の甄子丹はカンフーのアメリカチャンピオンだし、相手役张晋は中国チャンピオン。そんな人たちが演技とはいえ戦うのだから、本物の迫力だ。


観る前に知識として・・・
あらためていうのもなんだけれど、これは、実在の人物・葉問の人生を映画化したもので、葉問の最大の功績は、「咏春拳のメソッドを再創出」したということだ。

葉問の以前は、咏春拳(を含む中国武術)は、言葉ではなく体で覚えるというのが主流だった。しかし、葉問は、咏春拳を誰でも理解できる簡単な言葉で学べるようにした。
例えば、技の名称→「双龙夺珠」、「神龙摆尾」、「白鹤亮翅」、「饿虎擒羊」、「燕子抽水」・・・。一見かっこいいけれど、なんのことか分からない。笑。簡単に学んだり、盗まれたりしないように、わざとそうしてあるのかもしれないけれど、とっつきにくかった。
それを、葉問氏は、「摊、掌、膀、伏、抌、捶」という、日常的な言葉を使って分かりやすくした。

(上のポスターにもある木の棒が何本も出ているのを利用して練習する器具「木人桩」。これも、咏春拳のものだそうです。よく、いろんな映画やドラマでも見ますね。)

そして、最終的にその練習過程が『梁挺咏春(Wing Tsun)』という本に編纂され、学びやすくなったのだ。
咏春拳は弟子も増え、世界中に広がることになる。なんでも、現在、世界でいわゆる”カンフー”と言われているものは、ほぼ咏春拳なのだそうです。1番有名な弟子は、ブルース・リー(李小龍)。笑。

だから、葉問は、世界に中国武術、言い換えれば、中国文化のすばらしさを広めた人ということで、たいへん尊敬されている。

また、映画の中では、たいへんな人徳家としても描かれている。仕事や地位で人を差別せず、争い事がきらいで、”和”の中に人としての貴さがある、と言います(映画の台詞)。まあ、たぶん本当に心の修養もあった人なのだろう。だから、現在でも尊敬されて映画にもなるんだろう。


この映画は、シリーズ3作目だ。
3作目にもなると、どこか惰性というか、だれてるんじゃないかと思ったが、それは全然なかった。あいかわらず、堪能させてくれる。そして、あの!マイク・タイソンが出演している。←これ、話題だったのかな? 
この映画のすばらしいところは、1、2を見てなくて3だけでも、独立しておもしろいところ。カンフーファンでなくても、楽しめる。


あらすじ
1959年、葉問(甄子丹 )は、妻・张永成(熊黛林)と息子・葉正と香港で暮らしていた。
シリーズ2では、1950年(だったと思う)に香港にやってきて道場を開く苦労が描かれていたが、3では、もう生活は安定しているところから始まる。

そして、突然、ブルース・リー(陈国坤)の登場。2の最後には、子供時代のブルース・リーがやってきて弟子入りを頼み、「大きくなったらおいで」と葉問が帰すところで終わっているが、3の始まりには、大人になったブルース・リーが再びやってくる。
でも、これは本編には全然関係ない。笑。

話しは、息子の通っている小学校が、乗っ取られそうになることから始まる。・・・。
学校に突然、悪漢たちがやって来て、校長に「この学校を売れ」と契約書に無理矢理拇印を押させようとする。たまたま居合わせた葉問が、彼らを警察に引き渡す。警察の肥波(郑则士)は、2ですでに登場済み。よく知った仲だ。

肥波は、捕まえた賊を処罰しようとするが、上司の英国人がこの事件は自分で処理すると言った。学校を襲った黒幕のフランク(マイク・タイソン)と警察の上層部は繋がっているのだ。
フランクは、地下組織の賭場、リングで戦わせてどちらが勝つか賭ける類、を開いており、そこの部下たちを使って、学校にいやがらせを始めた。

しかし、葉問は弟子たちと学校を見張っていたため、なかなか思うようにならず、フランクの手下たちは葉問の息子を誘拐するという卑怯な手を使った。激闘の末、悪い奴らはやっつけることができたが、今度は、同じく咏春拳を学んだという张志天(张晋)が、決闘を申し込んでくる。彼は、自分の道場を開き、自分こそが咏春拳の正統な後継者だと名乗りたいのだ。

世間は、どちらの武術が上か興味津々だが、葉問は決闘の場所に現れなかった。逃げたわけではなく、妻の看病のためだった。ずっと彼を支えてくれた妻が、末期癌だったのだ。
死期を悟った妻は、葉問に感謝しつつも、张志天と戦ってほしいと懇願する。もし自分の病気がなかったら、決闘に行きたかったのでしょう?と。

最後は、葉問と张志天の壮絶な戦い。
咏春拳の特徴である、「六点半棍」という長い棒を使ったり、両手に包丁のような「咏春八斩刀」を持ち、戦いまくる。すごい迫力・・・。





この映画のいいところは、悪役があっさりしていることだ。笑。
マイク・タイソンとの異業種格闘でも、負けたら「オーケー、もうおまえのことは追ったりしない」とさっぱりしているし、张志天も負けたら自ら道場の看板を壊して「おれは恥を知らない人間じゃないから」とさっさと引き下がる。

その潔さが、葉問の人格と、彼が一生を捧げた咏春拳の高潔さを表しているように感じて、見終わった後が、なにげに清々しい。


↓↓↓葉問とブルース・リー。



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