新年好!!←今頃・・・、笑。
春節の間、おもいっきりブログお休みしていました。
いつもお読みいただいているみなさま、すみません。・・・。

いつもは、たいていどこかに旅行に行くのだが、今年は法事があったため帰国し、日本国内の中国人がいない所で観光していた。笑。
そして、一言!! 
日本は空気がきれい!!
天候にも恵まれて、真っ青な空を堪能しました。


2016年春節映画
さて、今年の春節は3つの映画がヒットしている。
『美人鱼』、『澳门风云3』、『西游记之孙悟空三打白骨精』。
この中で、おもしろさも売り上げもナンバー1なのが、この『美人鱼』だ。
公開から10日で、すでに20億元を突破した。20億元は、日本円でほぼ400億円! え~!!←驚きの叫び。笑。
制作費は、およそ3億元(60億円)だというので、制作側はウハウハの儲かり具合だろう。
わたしは昨日観に行ったのだが、150人ほどの部屋が満員だった。まだまだ売り上げは伸びそう。

監督は、日本でもファンが多い、『少林サッカー』の周星驰(チャウ・シンチー)氏だ。
周星驰の映画は、ストーリーが分かりやすいよね。だから、老若男女が楽しめる。そして、笑いもアクションで笑うようなギャグが多いから、国を越えてウケる。
『美人鱼』もその例に漏れず。しっかり爆笑しました。

話しは、簡単に言えば、『人魚姫』の物語である。人間と人魚の恋物語。
しかし、環境保護について考えさせられるテーマがかなり強烈に盛り込まれており、ただのファンタジーでは終わらない。
途中かなり凄惨なシーンがあるのだけれど、最後はハッピーエンド。穏やかな気持ちで見終われるのは、春節にふさわしい。


あらすじ
刘轩(邓超・ポスター右から2人目)は、何もないところから会社を興し成功した若きCEO。イケメンで、強気なやり手である。
次のプロジェクトは、海辺のリゾート開発。土地を手に入れ、海の中にはイルカなどを追い払うための音波(?)の出る巨大な機械を設置し、着々と準備が進んでいる。

一方、海の中では、人魚たちが困っていた。音波の機械は、身体を傷つけるのだ。人魚たちは海にいることができず、難破船の中にみんなで避難していた。
八爪鱼(罗志祥・1番左)(下半身がタコ。笑)たちは、その状況に腹を立て、刘轩を殺そうと計画した。そして、珊珊(林允・左から2番目)に人間の格好をさせて、刘轩のところに行かせるのだ。

珊珊はパーティーに潜り込み、電話番号を渡すことに成功し、連絡が来て刘轩と会うことになる。だが、刘轩は忙しいし、素人の珊珊が殺せるはずもない。(もちろん、ここが最初の笑いどころ。特に、刘轩が踊るシーン、必見。笑)
そして、殺し損ねて「何なんだおまえ?!」ともめている所に、共同出資者の李若兰(张雨绮・1番右)がやって来た。

李若兰は、大金持ちの女性経営者で、刘轩のことが好きだ。しかし、刘轩のことを、育ちの卑しい下流の人間だと口にしたため、彼に嫌われてしまう。(←当たり前!)刘轩は、そのことでいたく傷ついているのである。だから、本当は珊珊のことなどどうでもいいのに、李若兰を見た瞬間、当て付けがましく、珊珊と親しい振りをして「送っていくよ」と言ってしまうのである。笑。

車に乗ると再び不機嫌な刘轩だったが、珊珊のおすすめの鳥の丸焼きがあるからと遊園地でそれを食べると、「おいしい」と泣き始めてしまった。貧しかった子供時代を思い出したのだ。今は大金持ちになったけれど、心は寂しく虚しいことを、珊珊の前にさらけ出してしまう。

翌日、刘轩は珊珊にプロポーズする。「何百もあるプロジェクトを瞬時に判断する俺が、一晩も考えた結果なんだ。(どんなに深く悩んだか・・・)」というのが、(私的には、笑)かっこい~と思ったのだけれど(笑)、珊珊はもちろんイエスと言うことなどできないので返事をあやふやにしているうちに、刘轩が難破船の家に訪ねて来てしまった。
人魚たちは総攻撃を開始。刘轩は絶体絶命、殺されるかというところで、珊珊が刘轩を逃がしてしまう。珊珊も刘轩を愛し始めていたのだ。

逃げた刘轩は、警察で人魚を逮捕しろと迫るが、警察官は大笑い。相手にされない。
しかし、その日からは刘轩は変わった。自分が環境を破壊していると初めて気づかされたのだ。刘轩は部下たちに、海の中の音波出す機械を止めるように指示するのだった。

一方、李若兰は人魚の話しを聞き、色めき立った。実は、彼女は、人魚を捜す生物学者のジョージに出資していたのだ。もちろん、人魚を捕まえて金儲けをするために。
李若兰は、大勢の手下たちと武装して難破船を襲いに行く・・・。たいした武器も持たない人魚たちを打ちまくって、次々と生け捕りにする。李若兰は、ジェラシーから珊珊を捕まえて、彼女だけは殺そうとしていた。それを救おうと急ぐ刘轩だが、なぜか道は渋滞・・・笑、彼は珊珊を救うことができるのか・・・。


無敵は寂しくて虚しい
《无敌(無敵)》という挿入歌=テーマ曲が、何度も繰り返し歌われる。歌っているのは、主演の邓超だ。
ある時は威勢よく、ある時はしっとりと。よく聞くと、そんなに上手じゃない。でも、歌でその時の刘轩の気持ちを表しているのだ。音楽は時として、演技より心に響くことがある。

若くして成功した刘轩は、「無敵はどんなに寂しいか。無敵はどれほど空虚か・・・」と歌う。
そしてそれは、この映画の環境保護テーマ(?)、どんなに成功して大金があっても、きれいな空気の少しもなく、きれいな水の一滴もない世界なんて意味があるの? という言葉に導かれ、愛する珊珊と人魚たちを守ろうという刘轩の行動へと繋がっていく。

ラストには、刘轩は若くして引退した伝説の人物となっている。←ここから結末ネタバレ注意!




海辺の家に1人の学生が訪ねてくる。彼は、刘轩の奨学金で大学を卒業したのだ。
学生は尋ねる。・・・あなたはあんなに成功していたのに、全財産を環境保護のために寄付してしまい、仕事を辞めてしまった。それに、愛した女性が人魚だったショックのために、ずっと独身のままいるとウワサされているけれど・・・。
そして、学生は1枚の写真を差し出す。そこには、打たれて瀕死の珊珊が写っていた。あの時偶然撮られた写真だ。

それに対して、刘轩は顔色ひとつ変えず、・・・人魚なんて存在してるわけないだろ、と。・・・それにずっと独身だなんて、それも違う・・・と一緒に暮らしている妻を呼ぶ、「Lucy、こっちにおいで」。それはもちろん、元気になった珊珊。
一時は殺されかけた珊珊が、元気になって、幸せになってる。よかったなーと、観客のだれもが思う瞬間。笑。そのぬくもりが共有されるから、この映画は感動できるし、幸せな気持ちになれる。

わたしは、これをラブストーリーでちょっと環境保護の味付けというように観たが、主人は、環境保護の映画だろ? ラブストーリーなんてあったか?と言った。
他の人に聞いてないけど、みんなどう思ったのかな? それちょっと疑問。笑。

そして、やっぱりお金持ちになって成功しないと、環境保護については考えられないのか、というのも疑問。笑。そうなの? まず成功が優先されるの? そこまでいかないと分からない人間の愚かさ。
だとしたら、環境問題はまだまだ解決できないかもしれませんね・・・。
そんなことも考えてしまった映画です。でも、爆笑必死! ←ここ強調。


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