台湾で制作された映画だが、原作は日本の作家・原田マハの『一分間だけ』という小説だ。
小説は読んだことがない。映画の題名から想像して、恋人と犬が繰り広げるコメディなのかと思ったが違った。
「男友」というのは恋人のこと。「狗」は犬。
両方が並んでいるが、どちらかというと、犬が主体。主人公の女性と犬の物語だ。
だから、犬が好きな人にはいいのかも・・・。
・・・と及び腰だが、実は、私は毛の生えた動物はあまり好きではない。
私が子供の頃から可愛がった動物といえば、金魚、ミドリガメ、へび、コオロギ、クワガタ。笑。
会場はほぼ満員で、ほとんどが犬好きな人だったよう。子犬がアップになったりすると「きゃ～♡！」と声が涌く傍らで、黙って見ておりました。笑。
犬は、ゴールデンレトリーバーだ。そういえば、日本でブームがあったよなあ。みんなゴールデンレトリーバーを飼っていたよなあ、と思い出したりしながら・・・。
あらすじ
蔡琬真（张钧甯）は、雑誌「マリー・クレール」の編集者で、恋人の沈浩介（何润东）とは、長いこと同棲している。沈浩介は、よく分からなかったのだけれど、在宅でネットを使って？料理関係の仕事をしているみたい。（原作読んだら分かると思うが、読んだことがない）家事は、沈浩介が全て引き受けている。
蔡琬真は、ある日、取材先で出会ったゴールデンレトリーバーの子犬に一目惚れし、家に連れてくる。しかし、子犬は、部屋を散らかし汚してばかり。いやになってしまい、一旦は返そうとするが、やはり可哀想になって本格的に飼うことにした。
その犬はリラと名付けられ、蔡琬真と沈浩介の生活に入ってくる。２人は犬を巡ってケンカもするが、一緒に散歩に出かけたりする新しい楽しみも増えるのだ。
そして、沈浩介は、リラのためにマンションを出て、田舎の一軒家に引っ越そうと提案する。蔡琬真の職場はとても遠くなってしまうが、リラのために２人は引っ越す。しだいに、リラが生活の中心になり、楽しい日々を過ごす２人だった。
しかし、そんな生活に変化が起きる。
蔡琬真が、突然、豪腕編集長 Miss Lim に抜擢され副編集長になったのだ。編集長の高い要求に応えるため、体は忙しく、心はストレスでいっぱい、しだいに余裕がなくなっていくのだ。
ある日、蔡琬真は仕事で帰りが遅くなってしまい、沈浩介に連絡をしようとするのだが電話はつながらず、イライラして夜中に帰宅すると、沈浩介は留守。リラは家の中で粗相をして、それを片付けなくちゃと思うのだけれど、疲労はMAX。帰ってきた沈浩介に、「リラをほったらかして何をしてたの？ どこにいたの？ なぜ電話にでなかったの？」と当たり散らしてしまう。沈浩介は、友達のところにいたと謝ろうとするのだが、キレてしまった蔡琬真はおさまりがつかない。
それがきっかけとなり、沈浩介は家を出て行くことに・・・。
沈浩介が車にリラを乗せて出発すると、リラは蔡琬真を恋しがって、走る車の窓から飛び降り、蔡琬真のもとへ帰ってしまう。リラは、蔡琬真が飼うことになった。
仕事が忙しくてもリラの世話を必死にしていくうちに、リラは蔡琬真の家族となり、心の支えとなっていくのだ。
しかし、犬の寿命は短いもの。リラは病気にかかってしまい、もう助からないと宣言される。
蔡琬真は、リラの介護のために、がんばっていた仕事も辞めてしまった。そして、沈浩介に会いに行く。リラの寿命を知った沈浩介は、家に戻ってきて、蔡琬真と２人でリラの世話をするのだった・・・。
時間が短い
男女２人のストーリーではなく、蔡琬真とリラの物語なんだなと思ったのだけれど、それにしても、沈浩介の存在が薄い気がした。映画の題名に「我的男友」（私の恋人）とついているわりに、何をしてる人なのかよく分からなくて、”ヒモ”なの？と思ってしまうような描かれ方。
別れるきっかけになった事件も、ただ役立たずのように罵られて、すごくかわいそうだったよ。
蔡琬真が仕事で疲れているように、沈浩介も家で家事して犬の世話して、たまには友達と遊ばせてあげてもいいのにと、同情した。
また、犬が車から逃げてしまうシーンも。それまでエサをやったり、シャワーで洗ってやったりする世話は全部、沈浩介がしていた。仕事ばかりで、沈浩介に世話をさせっぱなしの蔡琬真の方に犬がなついているって、よく分からなかったなあ。
と思ったら、わたしの見た中国版は９３分だけれど、台湾版は１１２分であることが分かった。
１９分間も、短くなってる。ほぼ２０分。一体何がカットされたのか。検閲に通らない内容って、どんなものだったのか。うーん、知りたい。
そのカットされたあたりに、わたしを納得させてくれる話しがあったのかもしれない。いや、でも、そんな私の期待する内容なら検閲にひっかからないか。分からない・・・。
それとも、私は犬と飼い主の関係を、よく分かってないだけなのかもしれない。犬好きなひとが見たら、納得するのかしら。誰か、見た人がいたら、納得できるように説明してほしい・・・。
観客からの点数は、６．２点。
＊このブログは個人的なもので使用している画像、 動画等の著作権はその著作権元にありその権利を 侵害するものではありません。