ここ数日、映画監督の張芸謀(チャン・イーモウ)に子供が7人いたというニュースが、こちらでは話題になってます。しかも、罰金が20億円!

中国は一人っ子政策なので、1人以上の子供を産む場合、お金を払わないといけないんです。払わずに産んだから、罰金ってことです。
罰金を検討している無錫市が、同じ江蘇省なので、これが最近の地元の話題です。


”無錫市人口と計画生育委員会”の調べによると、無錫の高級住宅地に張芸謀の妻、陳婷と3人の子供が住んでいる。3人の子供は、北京の有名な病院で産まれて、無錫の幼稚園に通っている。しかし、子供3人の戸籍は無錫には存在しない。どこにあるの?

他にも、陳婷以外の女性との間にも子供がいるみたいで、それが合わせて7人らしい、どうなってるのかなあ。


簡単に言うと、そういうことです。
実際には、まだ調査中なのに、こんなに新聞でかき立ててしまっていいのかという印象を持つのですが、ここには、中国の戸籍の問題がからんでいます。
ただの隠し子スキャンダルではない、中国ならではの事情があります。

中国は、婚外子(非嫡出子)には戸籍が与えられません。
だから、先日このブログでも紹介した映画『北京遇上西雅図』でも、金持ちの愛人が、中国で子供を産んでも戸籍が得られないので、わざわざアメリカに行って出産をするという話しでした。アメリカで生まれた子供には、アメリカ国籍が与えられますから。

あたりまえですけど、戸籍がなければ学校にも行けませんし、仕事でも何でも、その子の将来にとってたいへんな問題ですよね。なので、まず結婚しているかどうかが、ポイントになります。


そして婚姻関係があった場合、一人っ子政策の中国でも、実は子供を複数産む事はできるんです。
いくつかの許される条件があって、少数民族の場合、結婚相手が外国人の場合、そして、お金を政府に払って許可をもらう場合です。

お金を払って産むというのも、場所によって金額が違います。
たいていは、その人の年収に合わせて計算されるようです。

以前聞いた話し、はっきり覚えてないけど、上海の会社員の方は、1年の年収の10ヶ月分って言ってたかな・・・。何ヶ月分だったか、うろ覚えですが、そんなに~!って驚いた記憶があります。会社に前借りして2人目を産むって言ってました。

張芸謀クラスになると、年収も多いし、子供の数も多いし、20億円って金額になるのでしょうか。
すごいですね。


まだ調査中らしいですから、本当はどうなのかわかりません。
それに、張芸謀は世界的な有名人ですから、そんなに脇の甘い、自らスキャンダルを提供するような、ずさんな行動はとってないのではないかと想像しますけど、どうなんでしょう。


事の真偽とは別に、一般的にはどうなっているのかという事情を聞いてみると、みんな「お金があったら、なんとでもなる」って言いますね。
戸籍がなくても、お金をたくさん払えば学校に入れてくれるし、いざとなったら外国に行ったらいいんだよって、言います。

世間の人たちは、張芸謀はお金があるから、複数の女性に子供を産ませて、学校への進学やいろんなことを、お金で解決してきたんだろうと疑っているんですね。

中国では、戸籍にからむ問題は、奥にいろんな別の問題があるから、すごく人々も興味を抱きますよね。どんな結末になるのか、調査を待ちたいと思います。