ものものしいサイレンを鳴らしながら

パトカーが近づいてきた

 

 

愛人1号の母親は

警察に通報したのだ

 

私は逃げるわけがない

だって悪いことは

何ひとつしていないのだから

 

 

むしろ悪いことをされた側の人間

愛人1号の自宅玄関の石の階段に

座ってパトカーの到着を待っていた

 

 

 

寒かった

それははっきり覚えている

そんなことになろうと思わず

家を出たので

特に防寒もしてなかった

 

 

 

 

パトカーは2台来た(と記憶している)

こういう時って

それぞれに(私と愛人1号の母親)

事情聴取するから

かなり大人数で警察が来る

(2020年8月に経験済み)

 

 

事情を聞かれたので

私は事実を淡々と述べ始めた

でも・・・

私の体は冷え切っていた

私は言った

 

 

「すみません

寒いのでパトカーの中で

話しても良いですか?」

 

警察は「いいですよ」と言い

パトカーの中に入った

暖房の温度を上げてくれた

 

「ちなみに携帯の充電器ありますか

 電池ゼロになっちゃったんです」

 

あいにくそれはなかった

でも比較的若いパトカーの中の

警察官2人はとても優しかった

 

パトカーの中で

冷え切った体が

やっとほぐれてきた

 

 

 

「ここの娘と元夫が不倫して

私は離婚した」

私は話し出した・・・

 

その日の1年半前に

その家の娘に慰謝料請求してから

なんの音沙汰もないこと

 

 

その家の娘は

「自分の母親も私の元夫と

一緒に仕事していたので

母親に相談する」

と言っていたこと

だから私はここに来たこと

 

 

私は落ち着いて

ことの経緯を伝えた

 

 

警察は一通り聞いた後

「お気持ちはわかりますが

直接来るのはもうやめてください」

 

「弁護士に相談して

裁判した方がいいです」

そう言った

 

その時突然・・・

体の大きい

私が乗っているパトカーの中の警察の

上司のような年齢の警察が

パトカーのドアを開けた

 

愛人1号の母親の事情聴取をしていた警察官だ

 

 

 

「あなた近所じゅうに

聞こえるようにわめいたのか?」

私に向かって

威圧感を持ってそう尋ねた

 

「いやあ

あの母親が家の中に入ったので

聞こえるように

『慰謝料払ってください』

って言っただけですけど」

 

その私の答えに対し

「じゃあ近所の人に聞いてくるから

嘘を言っていたら大変だからな」

 

体の大きな年配の警察官は

私に向かって怒鳴った

 

内心ドキッとしたが

聞こえていた時は

その時はその時だ

私は不思議と落ち着いていた

 

それから・・・

その大きな威圧的な警察は

私の乗っている

パトカーには戻ってこなかった

 

「もうここにはこないでください」

「今日はどこから来たんですか?」

パトカーの中の

優しい私担当の警察は

そう言った

 

 

そして私を最寄駅ではなく

乗り換えに便利な大きな駅まで

送ると言った

ありがたかった

 

冷えた体はすっかり

温まっていた

 

こうして私はパトカーで

15分ほどドライブした

 

あの時の警察は優しかった

パトカーの中で私を

なだめてくれたし

同情もしてくれた

 

こうしてブログを書いて

忘れていた

そのことを思い出した・・・

 

 

 

 

 

 

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