昭和の刑事ドラマのような
オフィスを構える
穏やかで誠実な
探偵A村さんと
作戦会議に入った
私はとにかく早く
夫とT村Y子のことを
突き止めたくて
夜も眠れなかった
だが夫はこの場に及んで
7月27日に
突然博多の社長から電話がかかってきて
今から出張になった
駅まで送って
と言って
10分で出かけてしまった
何が起きたか分からないような素早さだった
あとに残された私と娘は
その1時間後
我に返ってあれまた騙された
出張って嘘だよねと
顔を見合わせた
ようやく主人の嘘がわかるようになった
時既に遅しだが
7月28日は
夜遅くに嘘の博多出張から
帰ってきたが
29日は東京日帰り出張であった
もちろんそんなの嘘に決まっているが
(そもそもこの時期コロナ禍
今考えれば常識でわかるが
夫は出張ばかりだった)
そんなこんなで
すぐにでも探偵A村さんに
追跡をしてもらいたかったのだが
なかなか日にちが定まらなかった
その間娘はずっと私の側に
寄り添ってくれた
私を守ってくれた
もし娘がいなかったら
もし娘が大人になっていなかったら
また昔のように
私は夫に丸め込まれていたのかもしれない
しかし今回は娘が私の目を覚ましてくれた
探偵A村さんには
7/31と8/1の2日間で
自宅からの尾行を
お願いすることにした
愛人1号は夫の会社の
アシスタントだ(私に内緒の)
夫はこの6ヶ月前に
「仕事関係で
女性がいるでしょ?」
と疑っていた私に
誰もそういう人はいないと
答えていた
私と娘と探偵A村さんと
3人でLINEをつないだ
準備は整った
7月31日朝8時
探偵A村いざ出陣である