結婚前。


結婚なんて全くする気がなかった私は、


誰と

いつ

どこで

何をするか


全てが自由だった。

女友達との遊びはもちろん、恋愛も自由。


「彼氏」という存在が居ても、

他の男性と良く遊びに行っていたし、良く合体していた。


褒められたことではないが、

自分好みの人達と都度新鮮な気持ちでデートをして、

色んなタイプの恋愛のドキドキを味わい、

行ったことのない場所に行ったり、

したことのないことを経験して、

私が持つほとんどの欲求は満たされていた。


ただ、ややこしいことになるのは面倒なので、誰かと出歩いている時は他の人達のスケジュールや居場所をある程度把握する必要があった。

バレはしなかったものの、一度「親密なお友達」と手を繋いで居る時に「彼氏」が同じ電車の車両に乗っていた事もあった。


でも、もしもバレて別れることになったとしても、話し合いやらがややこしいだけで、正直まあ仕方ないか。

くらいの気持ちだった。

罪悪感も無ければ、執着心も無い。


「だって別に結婚してるわけじゃないし、会っているときはその人だけに真剣に集中してちゃんと向き合ってるから、それでいいでしょ?」


友人にはそんな風に話していた。


その頃は大体固定が2〜4人居て、平日の夜や週末はスケジュールがいっぱいだった。

そして、付き合い始めてから数ヶ月〜1年経ち、新鮮さを失い、相手を知り尽くしたと少しでも感じると段々と気持ちが冷めて、また新しい人を探す。

そんな事を繰り返していた。


だがしかし。

夫と出会って、私は変わった。


何故かはわからないけど、

出会った日から深い落ち着きと安心感を感じ、


「この人だ」


はっきりと、そう思った。

夫の事を何も知らないうちから、


「私はこの人と生きていく」 


そんな謎の確信を持っていた。


そこからの私の行動は素早かった。

夫と付き合う前から全ての男性を整理して、

夫とだけ向き合う体制を作った。

他の男性との写真も、メッセージのやりとりも全て削除し、プレゼントされたものも処分した。


そして、毎日、ただ真っ直ぐに夫と向き合い、

夫のために私が出来ることがあれば、何よりも最優先した。

夫は私の気持ちに答え、本当に大切にしてくれていた。


お互いのことをたくさん話して、

これからのこともたくさん話して、

いつでもお互いを思いやって、

穏やかに、確実に、「2人」を築き上げてきた。


はずだ。


あの頃は不思議なくらい不安というものがなかった。

なのに今は不安ばかりだ。

今思えば、2人で暮らす前までが一番幸せな時期だったかもしれない。

時々そんな風に思ってしまう。


どこの夫婦もこんな感じなのだろうか。

それとも、複数の男性で我欲を満たしていた過去の後遺症なのだろうか。


どちらにせよ、今は日々のやるべきことをきちんとこなすだけだ。

夫との関係がどうなろうとも、私はやるべきことをやって歳をとる。

そうすれば、何年もたってから自分に失望することはないはずだ。


寂しくても

悲しくても

不安でも

一人で耐える。


日々、修業。真顔