コン・ユさんが主演された映画

「トガニ 幼き瞳の告発」

その原作となった小説を読みました

 

 

著者はコン・ジヨンさん

名前がG-DRAGONに似ているけれど

 

こちらは孔枝泳(コン・ジヨン 공지영)

GDは 權志龍 (クォン・ジヨン 권지용)

そしてコン・ユさんのコンは作家さんと同じです

 コン・ユ  孔劉 

 

これは実際に韓国光州のろうあ者福祉施設

光州インファ学校で起きた

ろうあ児童に対する教職員による

性的虐待を題材に書かれた小説です

コン・ユさんは軍隊にいる時

上官に昇級祝としてもらったこの小説を読み

映画化を熱望し主演をしたそうです

 

 

暴行を行った教員らに対する判決が

あまりにも軽かったことや

社会の関心があまりにも低かったこと

実刑を逃れた関係者が

そのまま学校に復帰したことを

小説では描いていて

コンユさん主演で映画化されたことで

460万人以上もの観客を動員し

社会現象となり

映画公開後に韓国国内で

関係者に対する非難の声や再捜査を求める声

同様の事件に対する厳罰を求める声が

上がったそうです

 

原作は、読むのがあまりにも辛くて

時々、読むのを中断するほどでした。

地域まるごとのヒエラルキーと

組織ぐるみで隠蔽されてきた事件が

映画化によって明るみになり

社会が大きく動き

政治が動き 国が動き

 

事件後も生徒を受け入れていた学校が

行政処分を受け廃校になり

韓国政府は障害者の女性への

虐待に対する罰則の厳罰化や、

障害者や13歳未満への虐待に対する

公訴時効の撤廃を定めた

トガニ法』を制定したということです

 

「トガニ」とは「坩堝」という意味だそうです。

地方の有力者の唾棄すべき犯罪を告発し

地方都市が混乱の坩堝となった様を

表している言葉ですが

一時の騒乱が収まると

結局は何事もなかったかのように

罪人たちによる支配構造は

変わらずに続いていき

弱い者は虐げられたまま放置されたのです

 

コン・ユさんがこの小説を読まなかったら

そして 映画というメディアにしなかったら

インファ学校というおぞましい施設で

身の毛もよだつ虐待行為が

その後も 現在もなお

続いていたかもしれません

 

小説と映画では若干人物設定などが

違っているのですが

主人公のカン・インホの役を演じるコン・ユさん

眼差しがあたたかく慈愛に満ちています

 

↓ 著者のコン・ジヨンさん

 

日本語訳をしたのが

拉致被害者の蓮池薫さん

日本語訳が本当にすばらしいです

 

文学の力     俳優の影響力

映画というメディアのすごい可能性を

実証している作品だと思います

 

コン・ユさん・・・いいなぁ~