東京国立近代美術館60周年記念特別展「美術にぶるっ!」(夜間特別観覧会) | Duet’s Weblog in Ameba

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東京国立近代美術館60周年記念特別展
「美術にぶるっ! ベストセレクション 日本近代美術の100年」
会期:2012年10月16日-2013年1月14日


11/7の夜間特別観覧会に行って来ました。
この夜間展覧会を教えてくれた友人に感謝、抽選に当たったことも感謝です。

観覧会のスケジュールは
1.15分間のミニレクチャー(講師:鈴木勝雄主任研究員)
2.特別展覧会(2時間)

ミニレクチャーが15分で収まりきれず、5分ほど延長。
講師の鈴木さんが延長すると観覧会に影響が出ると恐縮されていて、でも観覧時間は2時間もあるのに何故?と不思議に思っていたら、後になって分かりました。
二時間では全然足りなかったのです。

「美術にぶるっ!」というタイトルについて。
絵画、彫刻、写真等の芸術作品に初めて出会った時の衝撃、思わず身震いする瞬間のこと。
その衝撃は、歓喜の衝撃でなくてもいい、嫌悪感でもかまわない。
オッ!と思ったその感覚を捕まえて、そこからスタートして行こう。
という意味だそうです。

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特別展の構成は次のとおりです。

1.MOMATコレクションスペシャル
<4階>
展示室1:ハイライト…(7点)
展示室2:はじめの一歩…(11点)
展示室3:人を表す1…(10点)
展示室4:人を表す2…(4点)
展示室5:風景を描く…(40点)

<3階>
展示室6:前衛の登場…(18点)
展示室7:戦争の世紀に1…(10点)
展示室8:戦争の世紀に2…(8点)
展示室9:写真…(28点)
展示室10:日本画…18(点)

<2階>
展示室11:疑うことと信じること1…(14点)
展示室12:疑うことと信じること2…(16点)
展示室13:海外作品とMOMAT…(66点)

2.実験場1950’s
<1階>
1.原爆の刻印…(26点)
2.静物としての身体…(45点)
3.複数化するタブロー…(27点)
4.記録・運動体…(52点)
5.現場の磁力…(21点)
6.モダン/プリミティブ…(12点)
7.「国土」の再編…(37点)
8.都市とテクノロジー…(29点)
9.コラージュ/モンタージュ…(15点)
10.方法としてのオブジェ…(32点)


※MOMAT
東京国立近代美術館(The National Museum of Modern Art,Tokyo 英略称: MOMAT)

二時間では足りないということが、展覧会の構成を見てもわかると思います。

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第一部のMOMATコレクション(平たく言うと所蔵展)は、重要文化財が13点も含まれていて、そもそも重要文化財は総数が51点しかない、そのうちの13点がMOMATにあるところも凄い。
4階から2階の展示会場がそれに当たります。
この部分だけで少なくとも2時間、いや3時間はかけたいところでした。


ひとつひとつの作品についての感想は別に書こうと思います。


(4階:展示室)


(3階:展示室7)




(3階:展示室10)





(2階:展示室11)

近美(東京近代美術館)は展示室を全面リニューアルして、どの展示室もとても綺麗で作品が見やすかった。
私は、実はこのところ近美に来ていません。
そのため、昔の展示室との比較ができないのですが、いつも来館されていらっしゃる方は「オッ!」と感動すると思います。
展示室全体としては明るく、しかし壁や床の色、材質を工夫することによって柔らかく彩度を下げているので作品が見栄えがして、しかも見やすい。
また、展示室を広くしてしまうと歩きながらの流し見になりやすいので、小区画を繋げるような工夫をしたとのこと。(三菱一号館や、都庭園美術館の小部屋繋ぎにも利点はあるのですね)





(2階通路:ダンボールも、テレビ映像も作品です)

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さて、所蔵品の大公開という極上のサービスについ気を取られてしまいますが、近美側としては第二部の「実験場1950’s」のほうが一押しです。

今回、東京近代美術館の創立60周年にあたり、60年前が所属する「1950’s」が展示テーマとなりました。
2階の展示室に「1950’s」に繋がる作品が相当数あるので、それを見てから1階の「実験場1950’s」に入ると流れに乗りやすい。

1940年代には世界的規模の戦争があった。
昭和10年台の日本の作品には太平洋戦争に押し潰される寸前の若い芸術家の作品や、軍部の指示によって描いたと思われる戦意昂揚意識を高める作品がありました。
第二次世界大戦に直面した欧州の芸術家たちの作品も多数。
具象的な表現もあれば抽象的な表現もある。(抽象的過ぎて私には理解できないものもありましたが・・)

「実験場1950’s」は文字通り実験場だった。
具象的な展示としては被爆者、戦後の風俗、安保闘争を写真と映像(映画?)で表現していて、映像表現の力を感じました。とにかくパワーがあります。
当時のカメラ雑誌、暮しの手帖や、今でいうところのミニコミ誌などがずらりと並んでいて、一冊一冊はそれだけなのに、ずらり並ぶと急に紐付けられて、きちんと意志を持つところが興味深かった。

他にも沢山の作品があったのですが、展覧時間も足りなくなって、それから自分が疲れてしまって何も吸収できなくなってしまいました。
「実験場1950’s」は、見る時間と考える時間が必要なのでこれも2時間は必要です。それと体力。



(1階:実験場入り口)






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今回の特別展示会では写真撮影が許可されていたので、初体験でどう写して良いかわからなかったのですがカメラを持参しました。

作品の一点撮りはしないで下さい、展示会全体を撮るという趣旨で、という注意は私は守ったつもりです。
ただ、会場では一点撮りをしていた人のほうが多かった気がする。
途中からそれを忘れてしまったのだろうとは思いますが、それが積み重なると「撮影はお断り」になってしまいますから、気をつけて欲しいです。

それから、暮しの手帖の展示のところで、「ここがね・・・」と指を伸ばしたら誌面に触れてしまい、すかさず係員さんから注意を頂きました。
あの電光石火ぶり、危険人物としてマークされていたのだと思います。(笑)
申し訳ありませんでした、思ったよりも自分の腕が長かったのです、ごめんなさい。