何回かゴミを出すのを忘れてしまった
すでに5袋たまり、ワンルームの部屋を狭くしていた
ゴミはアパートの前の大きなゴミ収集箱に入れる事になっている
いつ入れても箱の中なのでいつか持って行ってくれるシステムなのだが、
なぜかアパートから2軒離れた一戸建てに住むお節介オバハンが、毎日ゴミ出しチェックをしに来る
火曜と金曜以外の曜日や、ゴミ出しではない時間に捨てようとすると、
どこから嗅ぎ付けるのか現れて説教するのだ
いないと思っていたら急にやって来たりする困ったヤツだ
そのせいで好きな時に捨てられない
しかしすでに身動きとれない程たまっているため、
夜中まわりが寝静まってからこっそり入れに行く事にした
あの神出鬼没のオバハンであろうとも年だ、絶対に寝ているはずだ
AM:3:00
なるべく音がたたないようスニーカーとジャージを身にまとい、
ゴミ袋をかかえて抜き足さし足で階段を降りた
そして収集箱の前に来て周りを見回した
…よしッ誰もいないッ
収集箱を開けすみやかにゴミを入れた
部屋に戻ろうとした時だった
ガサッ
音がした





音がした方を見るッ
…何やら人の気配がッッ
「何やつッッ

」


」…するととぼけた顔をしたじいさんが、
鼻歌をうたいながら入口から出てきた
おとぼけじいさんかいッッ

このじいさん、2階に住んでいるのだが
毎日ヒマなのか昼夜を問わずしょっちゅう外を徘徊するのだ
びびらせよって…ッッ



ちびりんこものだ
そして部屋にゴミ袋をとりに行っては収集箱に入れる、という作業を2回繰り返した
ようやく最後の1袋を収集箱に入れようとした時だった
ビリッ





ゴミ袋が破れたッッ

箱の蓋に引っかかったのだ
中身がこぼれ出すッ
マイガーッッッ





収集箱の前が見る見るゴミだらけになっていくッ
もたもたしている余裕はない
大急ぎで破れた所を塞ぎゴミを拾っていくッ
なんて細かいゴミどもだッ
なぜこんなに鼻をかんだティッシュだらけなのだッ
拾っても拾っても終わりが見えない
ネバーエンディング・ゴミストーリーだ
ひぃ、はぁッッ



やっとのことで拾い終わり、一息ついた
そしてゴミ袋を収集箱に入れ、
ゴミッション成功ッ



…かと思われたその瞬間ッッ
ピカッッ







まるで刑事ドラマで、立て込もっていた犯人がやっと出てきた時にたかれる、フラッシュのような光に包まれた
「…あ…ッッ
」

」眩しさに慌てて手で目を覆うッ
「午前3時15分、犯人確保」
…少し離れたところに、得意気な顔をして罪状を読み上げる、オバハンがいたッッ

そして隣には、







なぜかおとぼけじいさんの姿が…ッッ



じいさんはやってやったとばかりのシタリ顔で、
オバハンの横に、これまた得意気に立っていた
いつもトボけた顔なのに、今は正気に戻っているように見える
そういえばオバハンがやって来る時、その前に必ずと言っていいほど、このじいさんがうろついている
…これまでゴミッションがことごとく失敗してきた原因が分かった…
おまえかぁーーーッッ





