私は本が好きです。
小さい頃に本屋さんが家の前にあったので、
並べられている本を手に取っては
祖母に買ってもらっていました。
憶えているのは、『カロリーヌの世界旅行』だったかな。
女の子が世界中を旅する絵本。
エスキモーになって一緒に凍った肉をかじったり
オランダで木の靴を履いたり。
何度も何度も読んでいました。
ずっと前に勤めていた会社の後輩だった女の子に
子供が生まれたときに贈った絵本がたまたま
彼女が子供の頃に大好きだった本だと聞いてとっても嬉しかったなぁ。
うん。
みんな小さいときに大好きだった本があるんですよね。
今も本は大好きなので、
ネットで検索したり
本屋さんに行って、何かいい本ないかなぁと探したりします。
やっぱりねー、実物をみたいですもんね。
活字の感じとか、紙の手触りとか、そういう相性だってありますもんね。
で、最近、いいなぁと思った本がこれです。
『はやくはやくっていわないで
作: 益田ミリ 絵: 平澤 一平 発行: ミシマ社』
なんと、読者対象は 0歳 ~ 100歳です![]()
なので、みなさん、対象ですよん
。
作者の益田ミリさんは、ご自身もイラストレータであり
『すーちゃん』シリーズの漫画を描いてらっしゃいます。
『すーちゃん』シリーズは等身大の女子の日常が描かれていて
なんだかせつなくてもやもやしていたときに読んでいたので
かなりぐっときて、実写映画も観てしまいました(笑)。
いやー、映画は途中、泣きそうになりました。
実際すすり泣きも聞こえたし。
みんな辛いんだねって思ったなぁ・・・。
この『すーちゃん』関係の本を検索しているときに発見したのが
この 『はやくはやくっていわないで』 です。
この絵本を読んでいた時に
私は小学一年生の初めての授業参観のことを思い出しました。
たくさんのおかあさんたちが後ろにいて、
子供たちはそわそわ。
確か算数の時間。
新品のお道具箱の中のおはじきを使っての授業でした。
終わって 先生が
『さあ、お片付けしましょう』
って言ったときに
私は何色もあったおはじきを色ごとに重ねて片づけたかった。
でも、そうすると、とっても時間がかかるのです。
そしたら、後ろから小さい声で
『はやくしなさい!』
と、言われました。
私は一番後ろの席だったので、母はたまらず声をかけたのでしょう。
母はまだ20代で若くて、私は最初の子供でした。
私はとっても傷ついたのだと思います。
鮮明に覚えているので。
でもね、
今なら、母の気持ちもわかります。
子供はいないけどね。
自分の子供が先生やみんなに迷惑をかけちゃうって気持ち。
母も一生懸命だったのです。
どうやら私はうまくそのときの気持ちを消化できないまま
大人になりました。
急がないといけない。
迷惑をかけてしまう。
私は、いつもいつも焦っていました。
『はやくはやくっていわないで』
私はそう言いたかったのね。
私は、子供の自分を抱きしめました。
そっかー。
とっても悲しかったんだよね。
よし、よし、もう大丈夫。
でも、おかあさんも悪くないよね?
これで、机の前で俯いている泣きそうな小さい私は大丈夫。
大人の私は ちょっと泣いたけど。
この本を読んで、小さいときの自分を抱きしめる。
そんなこともいいよね。
ついでに、がんばっていた母もだきしめよう![]()
もちろん、空想で(笑)。
だってこの絵本の対象年齢は100歳まで。
あなたも十分対象年齢。
そして、少し泣いたら今日も元気にがんばろう。
ちょっと優しくなれそうです。
読んでくださった方ありがとうございます。
今日も良い日でありますように。

