埼玉県の中でも私の住んでいるこのあたりは

夜中も電燈が煌々とついていて

星空がよく見えない。

流れ星がくると聞くと

夜中やまだ明けない早朝にベランダに出てみるけれど

綺麗に見えたためしがない。


24時間のスーパーや道路を照らす電燈。

でもそれがないと危険ですからね。

必要なものだと思います。


そんな中、13日の朝何気なくテレビを観ていたら

仙台の天文台が制作した『星空とともに』という

プラネタリウムプログラムのニュースが放送されていました。


2011年3月11日

東日本でたくさんの命を飲み込んだ地震と津波。

福島では津波に加えて原子力発電所の放射能。

関東でも津波や天井の崩落等でたくさんの命が失われました。


被災地の、あの日。

テレビの映像から映し出されるあの日の仙台の夜空。


          満天の星空。


私はテレビに映し出される映像にくぎ付けになりました。

心臓がどきどきして。

ほんのわずかな時間のリポートでしたが、

気づいたら私は泣いていました。


もう少し知りたいとネットで仙台市天文台のサイトを探し、

そこで仙台市以外の全国各地のプラネタリウムでも

投影されていることを知りました。


埼玉での投影はさいたま市宇宙劇場で14日。

明日だ・・・。

行こうかな。

これって行けってことだよね。

行こう!

ちょっと怖いけれど。

そう決めて、翌14日、プラネタリウムに向かうと、

なんと、無料!いいのか!?

ちょっとでも料金をとってまだまだ復興が進まない

被災地の方々ための募金にしてくれてもよかったよ。

そんなことを思っていました。


プログラムが始まって時間が刻々と過ぎ、

太陽が沈み夜になって


映し出される、見たことのないほどの満天の星、星、星・・・。


ありえないほどの無数の星が被災地を照らしていました。

そして見たこともないほどの数の流れ星。

私は田舎育ちだけど、あんなすごい数の星、見たことなかった。

それは未曽有の大災害によって起きた大停電、

人工の灯りが消えてしまったから見えてきた星空でした。


画面いっぱいに星が映し出される中、

天文台の職員の方々が淡々と語る

被災者の方々の震災の日の星空への思いや言葉。

被災された方々の、

不安や亡くなった方への思いや深い悲しみ。


どんな思いであの星空を見上げたんだろう・・・。

胸が苦しくなる。


それでも、

あの美しい星空は、やはり宇宙の愛だと思うのです。

地上がどんなことになっていようと、

宇宙の愛は変わらずに傷ついたひとや

生きとし生けるものすべてに平等に降り注ぐ。

それはずっと前からなんだよね。私が気づかなかっただけ。


あの日、無数の命が天国に旅立ってゆきました。

流れ星は亡くなったのひとの魂だと

小さいころ誰かから聞いたことがあります。


星の明かりは天国への道のりで迷ってしまわないように

道しるべだったんだよね


肉親を亡くされた方の言葉に

やりきれない悲しみがこみあげて息をするのも苦しい。

それと同時に

あの星空の美しさを感じることができる

ひとの心の柔らかさに感謝しました。


せめて、旅立った方々がやすらかであってほしい。

被災された方々の心やからだの傷が癒されますように。

ただただ祈らずにはいられませんでした。


このプログラムを制作した仙台市天文台の方々、

いまだ続く苦しみの中、

思い出したくないあの日の夜の

たくさんの思いを綴ってくれた被災された方々、

ありがとうございました。

また、私にあの星空を見るチャンスをくれた

さいたま市宇宙劇場と

たくさんの偶然に感謝します。


私の暮らすこの町は星はよく見えないけれど、

時々星空を見上げよう。

下ばかり向いていないで。




読んでくださった方、ありがとうございました。