サンダンス (Wiwangyan Wachipi)
バッファロー狩りを中心とした暮らしを営んでいたラコタ族を始めとする
平原部族の間で始まった儀式で、通常、年に一度、夏に行われる。
その起源は部族によって異なるが、儀式の目的は参加者個人が決めるもので、
創造主に感謝を捧げ、人々と大地の再生や子孫繁栄や、
災害や病気からの加護を願ったりと様々な目的で踊られる。
儀式の形式は部族によって異なるため、一概に定義出来ないが、
数日間にわたる断食、踊り、フレッシュオファリング(肉片の供物)などが行われた。
1833年、アメリカ政府はサンダンスを禁じ、
従わなかった部族は配給物資を打ち切られたり、投獄されたりした。
しかし、1934年合法化されるまでの間も、サンダンスは伝統派の人々によって守られ、
現在は平原部族のみならず、本来サンダンスを行っていなかった部族にまで広まり、
毎年各地でいくつものサンダンスが行われれている。
また、サンダンスを取り仕切るチーフによっては異なるが、
現在ではネイティブの人だけではなく、肌の色が違う民族にも門戸を開いていて、
世界中からサンダンスに参加する者が集まって行われるものもある。
平原インディアン(スー族、シャイアン族)は極端なまでに霊的な世界に生きてきた。
サンダンスの儀式は単に参加者が根性を証明するものではなく、
霊的に弱ったものを健全な状態に回復し、
森羅万象、全てがサンダンスの祭儀場から発する聖なる力によって、
民族全体の霊的な力を取り戻すためのものである。