唐突ですが、私が好きな詩を紹介したくなりました。アルマンと関係ありません。


寺山修司「新・餓鬼草紙」より
「悲しき自伝」

裏町にひとりの餓鬼あり、
飢ゑ渇くことかぎりなければ、
パンのみにては充たされがたし。

胃の底にマンホール
ごとき異形の穴ありて、
ひたすら飢ゑくるしむ。
こころみに、綿、砂など
もて底ふたがむとせしが、
穴あくまでひろし。

おに、穴充たさむため
百冊の詩書、工学事典
その他ありとあらゆる
書物をくらひ、家具または
「家」をのみこむも
穴ますます深し。

おに、電線をくらひ、土地を
くらひ、街をくらひて
影のごとく立ちあがるも
空腹感、ますます
限りなし。

おに、みづからの胃の穴に
首さしいれて深さはからむ
とすれば、はるか天に銀河
見え、ただ縹渺とさびしき
風吹けるばかり。

もはや、
くらふべきものなきほど、
はてしなき穴なり。




フランスの詩人、アルチュール・ランボーのこの詩も大好きです。

―見付けた。
―何を?
―永遠を。
 海と溶け合う太陽を。


彼の詩はこれしか知らないんですがぶー


ランボー(男)は、詩人のポール・ヴェルレーヌ(男)と愛人関係になったり、後に武器商人になったりするんですが、「太陽と月に背いて」という映画(ランボーをレオナルド・ディカプリオが演じている)になっています。ヴェルレーヌのキモさ全開です。

イエメンのアデンという都市に行った時に、ランボーが一時期住んでいた部屋を見学しました。



↑12年前に行った時の写真(首都サナア)

あれからサウジアラビアに空爆されて、いろんなところが破壊されました。
素朴で人懐こいイエメンの人たち、元気かな。