その後ハスキーとの関係は一度持ち直したかに見えて下降して行きました。

 

約束すっぽかしが数回続き、怒りより悲しみや呆れ、諦めの境地に達した頃。

 

もうどうでも良くなっていましたが、新しい物件が決まったとの報告があったので、よかったね、と返しました。そのついでに、

 

で最近どうなの。引っ越し以外は。仕事とか

 

と聞いたら、

 

んーー、なんか最近全てにうんざりしてる

 

それはこっちのセリフだよ、と思いましたが、黙っていると

 

僕たちについてもちゃんと話すべきだと思ってる

 

と。唐突な発言。

 

事務的な用事のためにこちら時間金曜夜に少しだけ話した時は

 

ハスキー:君が僕を想ってくれてるほど僕は君のことを想ってはいないと思う。

 

らじこ:。。。そういう話をするなら、とりあえずビデオ通話にしてもらっていいかな。(これから私は出かけないといけないから、その話は明日するってことにしたじゃん!)

 

ハスキー:要するに僕はさ、11月からずっとストレスが溜まってるわけ。で、そのストレスに晒されてみると、当初思ったよりこの遠距離は無謀なんじゃないかって思えてきて。辛い時に肩に手を置いてくれる人がいるのといないのとでは全然違うじゃん?

 

らじこ:まぁそうだね

 

ハスキー:そういうことだよ。僕はこの関係の当初から何が起こるかはわからないって言ってたよね?

 

らじこ:別れたいってこと?

 

ハスキー:いやそういうことじゃないんだ。

 

らじこ:。。。

 

ハスキー:。。。

 

らじこ:物理的な距離を縮めるのは無理にしても、我々はその他の工夫さえしてないよね。電話頻度を増やすとか、今だって私が言うまでビデオ通話にもしなかったじゃん。ビデオにすれば距離「感」は縮まると思うけど?

 

ハスキー:。。。まぁ多少は縮まった感じはするかも

 

らじこ:。。。(しかし私のことが好きじゃないっていう気持ちが根本にあるなら意味ないか。)あぁごめん、とりあえず私出かけないといけないからまた明日。

 

翌日。

 

ハスキーは入居予定の物件が1ヶ月後にしか空かないので、それまで友人宅で過ごすことになったようで。友人というのは、急病で帰国することになった同国出身の女性の同僚です。とるものもとりあえず出国した彼女が、私のところを使ってくれるとありがたいと言ってくれたらしい。

 

ハスキー:着いたわ。見る?

 

らじこ:(別に興味ないんだけど見てもいいか。)あら、素敵なお部屋じゃない!新しそうだし

 

ハスキー:まぁ眺めは最低だな。僕だったらこんなところに〇〇万も払わないな

 

らじこ:。。。まぁ高いよね

 

ハスキー:僕が借りるところはこんなに新しくはないけど、僕にとって物件の築年数ていうのはどうでもいいことなんだ

 

らじこ:。。。

 

総じて、部屋を案内されるというより、部屋の物色に付き合わされるような気分でした。

 

ソファーに横になりながら「僕はこんなソファーは買わないけど」。足でコーヒーテーブルを触りながら「これはいいね」。キッチンに入ってからも家電を物色。寝室はとりあえずチラ見。「明日友人カップルが来るからこの部屋は譲ろうと思うよ」(え?他人宅に友人を呼んだの?状況を知ってて彼女と来るなんて友人も友人だな。。。)

 

風呂場も何度見させられたことか。自分が入居予定の物件と比べてイチイチ貶すので、「私はそんな高級マンション、住んだことないけどね」と言ったら、「え?君のマンションもこんな感じじゃん」と。私はスタジオなので、間取りがまず違うわけで、それを指摘しただけだったのですが。

 

らじこ:家具だっておしゃれだし、私のIKEAとは全然雰囲気が違う!

 

ハスキー:え?これも結局IKEAだと思うよ。IKEAの箱、さっき見かけたし

 

らじこ:(ん?なんだこの人、自分の物件と友人宅を比較するだけじゃなくて、自分の彼女の住まいが友人宅より格下なのも気になるのか?しかも国さえ違うのに、くだらない比較だな苦笑)

 

それにしても。。。と私がその時に思ったのは、ハスキーの表情です。ものすごく険しい顔をしてるというか。耳をすませばの聖司が初めて雫に会った頃って嫌な顔をしてましたよね、めちゃくちゃ性格が悪そうな。雫が書いたカントリーロードの訳詞を読んで彼女に返す時なんか特に。

 

そのシーンを思わせるようなハスキーの表情に私はゾッとしたのです。ベッドの中で丸まりながら、いやこれは自律神経失調症なのか?!と疑うほどに寒気が。

 

いつものハスキー?は耳をすませばの最後の方の聖司の表情なので、まぁ何かが普通じゃないのは確か。

 

ハスキー:新しい不動産屋と大家さんとは波風立てずにやりたいんだ

 

らじこ:(え?また例のPAかしら。あの時は私が波風を立てたとでも?むしろ違約金免除してもらえたのは私が一言掛け合ったからかもしれないのに?)

 

ハスキー:あっというまに大金が消えてったけど、僕にとっては必要な過程だったんだ。母国で住んでたマンションも元カノの趣味で最低だったし。ようやく自分らしいところに住める

 

らじこ:(元カノにまで当たらないと気が済まないのね。。。)

 

ハスキー:君はなんでそんなに疲れてるんだ

 

らじこ:だって。。。だって夜勤から日勤に切り替えようとしてる最中だから。。。

 

ハスキー:あぁ(またそれか)

 

いつまで経っても例の「僕たちについて」の話が始まらないので、促したところ

 

ハスキー:その話は昨日したじゃん。だから君がそれでいいならこのまま関係を続けるってことで。また空いた時に電話でも

 

らじこ:(あぁラインでやりとりして日取り決めるの面倒なんだよな、電話するならいつなのか今決めてほしい)

 

ハスキー:僕はウィークデーでも週末でもいいけど

 

らじこ:え?でも今までウィークデーなんか電話しなかったじゃん?週末忙しいってこと?

 

ハスキー:僕があらかじめ週末の計画なんか立てないの知ってるだろ

 

らじこ:(はい、立ててもドタキャンですからね)

 

ハスキー:今週は休みを取るから、君の水曜の夜にしよう

 

らじこ:(いつも週末しか話さないのになんでこのタイミングで週のど真ん中なんかで会話しなきゃなんないんだよ。まぁ最悪ドタキャンすればいいか)。。。いいよ

 

って感じで腑に落ちないことづくし。

 

仕事もうまくいってないみたいだし(同僚にも当たり散らかしてるとかで)類まれなるストレスのせいで、類まれなる性格の悪さを発揮していると解釈するのか、あるいは、単に本性を表したと考えればいいのか謎ですが、

 

そもそも私に対する好意がなくなってきたようなので、思考を巡らせるのもバカバカしいと思いつつ、

 

元のハスキーに戻ってくれないかなぁと思わずにはいられない。

 

君が頑張る姿を見て、僕も頑張ったんだって言ってくれたあの頃からようやく1年になるかならないかなのに。

 

人間はこうも変わってしまうのか。

 

やるせない。

 

とりあえず連絡を断とうと思っているところに「良い日曜日を。終わると悲しいものだから」と。

 

ハスキーからのラインを見てうんざりすることは今までもあったけど、メッセージを開きたくないなぁと思うのは初めてのこと。

 

私も嫌いになっちゃうのかな。

 

終わると悲しいのは日曜日だけじゃないけどね。

 

彼自身の言葉じゃないけれど、今は自分自身の心を守るためにどうしたらいいかを考えたい。。。

 

まずは彼のスピーカーを片付けよう。スピーカーの音が部屋に流れていると彼がまだそこにいるような気がしてしまうから。