ツィーターの代表格と言えば
JBL 075 Bullet Type Tweeter
です。
JBLの3ウェイシステムを構築する上で
欠かせない高音域再生専用のユニットです。
ヴィンテージ・オーディオファンであれば
誰もが一度は目にするツィーターであります。
日本では見た目がジェットエンジンのような風貌から、
「ジェット型ツィーター」などと呼ばれ慣れ親しまれてきました。
米国では弾丸のような風貌とされており、
「ブレット(弾丸)ツィーター」と呼ばれています。
さすが通称にも文化の違いがでています!
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今回弊社が入手致しましたのは
なんとグリーン塗装が施された非常に珍しい風貌のものです。
その存在を知ったのは弊社でも最近のこと。
通常のアルミむき出しの物と違い、
グリーンに塗装されて本モデルは
主に駅のプラットフォームや船舶など、
業務用に用意されたものだそうです。
塗装は屋外使用を考慮した上での「錆び防止」の配慮。
なぜ緑なのか?までは弊社ではわかりかねますが、
恐らくその用途に応じて塗装の色は変えられたのだと思います。
本品はグリーン塗装ということから、
もしかすると「軍用」?として利用されていた可能性もあり、
色々考察すると夢が膨らみます!
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通常の075はアルミ削り出しの美しいシルバーが特徴的です。↓
これでもかっ!と言わんばかりの輝きを放ち、高級感を演出しています。
まさに販売を目的としたデザイン性が光っています。
方や今回の075は販売のことは考慮せず、
塗装の厚み、雑さから見てもあくまで実用性に特化したものということが伺えますね。
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余談ですが、通常の075で確認できる
通称「ヘアライン」
と呼ばれているアルミの削り出し跡。
これは製作過程の単なる削り跡ということではなく、
このヘアラインは音の拡散やピークの抑えなどを考慮した
075の特徴的なサウンドを生み出す上で大きく影響している大切な部分です。
昨今では当時のアルミ削り出しのユニットを
砲金無垢などに改造してしまわれるものを多く目に致しますが、
これでは本来JBLが意図したユニットの特性を残念ながら活かしきれません。
見た目重視か、音質重視かでシステム構築の方向性は
大きく異なってくるとは思いますが、
個人的には純粋に「音」を楽しむ目的でシステムを構築する際には
お勧めできない改造です。
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