うちの息子、今回はキューピットと言わせてもらおう。
キューピットはある女の子に会うため、自分で飼っているチワワを決まった時間に散歩するようになった。
なぜなら・・・・ある女の子の家でチワワを飼いだしたのだ。
キューピットは、自分の飼っているチワワと、女の子が飼っているチワワが仲良くなるように、チワワを連れて女の子の家の周りをうろついた。
それに気づくと、女の子もチワワを連れて決まった時間に散歩するようになった。
キューピットと女の子は、毎日同じ時間にお互いのチワワを連れ、散歩をした。
そう、このキューピットと女の子は幼馴染である。
お互い年頃になっているので一緒に遊ぶこともなくなっていた。
きっと、散歩しながらバカゲタ話をしていたのだろう。
でもそれがキューピットは楽しかったのだろう。
だが次第に日にちが過ぎていく事に散歩の回数は減って行き、今では散歩に出掛けなくなっていた。
・・・・それから数カ月。
すっかりチワワの散歩をしなくなったキューピットが、その女の子に夜の7時近所の「橋」に来てと誘われた。
卒業式を終え、皆それぞれの道に進む今の時期、なぜ俺を「橋」なんかに・・・・・
キューピットは言われた時間に「橋」へ行く。
すると、女の子は「橋」の上に立っていた・・・・・が、見慣れた顔ぶれ達がゴロゴロと。
どうやら、夜のランニング大会が企画されていたようだ。
キューピットは張り切ってランニングをした。
しかしランニングの途中、携帯が鳴る・・・・数十メートル後に走っている、その女の子からの着信・・・・
「わたし・・・〇〇君と付き合っているんだけど、相談に乗ってほしいの。」
ランニングを終えた仲間達はそれぞれ家に帰り、キューピットとその女の子も家に帰りだした。
・・・・いつかのチワワを連れての散歩コース。
「〇〇君さ、俺の事好きか?って言うからさ~私好きって答えたの、そしたら、じゃ付き合うかって事になって~♡ でもその威張った感じ嫌なんだよね~、ってか、別々の高校に行くから続かないんじゃないかな~そう言ったら、そんな事はないようにしようって言ってきたけど、ありえんくね?うまく行く訳なくね?ならさ~別れた方が良くね?あ~明日、離任式で学校で会うの嫌だな~私、どんな顔していいか分からんから、お前取り持って!!でも、好きなんだよね~〇〇君!!」
キューピットはアドバイスした 「それは二人でどうにかする事じゃね?」
〇〇君・・・・キューピットの友達である。
家に帰ると、「オモシロい話がある」と、その話を私に聞かせた。
今までこんな話、息子から聞いたこともなかったし話をしたこともなかった。
だが、息子は笑いまくって「オモシロい話」と言った。
私は 「ふ~ん・・・・・」と答えた。