フィエスタ(シヌログ)
私の知る限り、フィリピン在住の日本人は、フィリピン国内をよく旅する人と、ほとんど出かけない人とに、極端に二分される。
フィリピンは日本に比べれば見る場所は少ないかもしれない。
でも、何かの縁でこの国へ来た以上、多少は自分の目でこの国の人や景色を見ることは有意義なことだと思う。
犬も歩かなければ棒に当たらない。
何も行動しなければ、何も生まれないのは自明の理である。
ネットや本で見聞きするのと実際は違うし、人との出会いもある。
恐ろしいのは、実際に自分の目で見ないで、他人の話だけで勝手に判断することである。
「書を捨てて街へ出よう」という寺山修司の言葉を思い出した。
今風に言えば、「ネットを捨てて街へ出よ」とでもいうのだろうか。
フィリピンの旅といえば、先ずはビーチリゾートである。
ビーチが好きでない人は、各地のフィエスタを訪れるのもよいだろうし、太平洋戦争に特別な思いのある人は戦跡巡りも意味がある。
何年か前にリンガエンで見た日本兵戦没者慰霊碑は、その大半が砂浜に埋没し、頭30センチ程だけ地上に露出していた。今頃は完全に埋まってしまっているかもしれない。
パグサンハンの比島寺の慰霊碑も行く度に朽ち果てていき、時の経過を感じた。
「天国への階段」ともいわれるバナウェの棚田訪問も一生の思い出になるかもしれない。
セブを訪問した時のスナップ
この時の訪問が私とフィリピンとの長い付き合いの始まりだったように思う。