関数電卓には普通のタイプと、グラフ描画能力などが付加されたグラフ電卓があります。
 グラフ電卓といっても、グラフィック画面だけではなく、各メーカー上位機種として様々な機能向上が図られています。
 ただし、これが使いやすいか(使えるか)は別問題、弊害として機能を呼び出すのが面倒だったり、動作が遅くなったりしてしまいます。ガーン
 現在ではパソコンが普及している上、はるかに高度な計算、解析機能を持ったソフトが簡単に手に入るので、電卓にそのような機能が必要かという問題があります。


 さて、今日の電卓はHPの48GXです。これも、一昔前の機種で、今は後継のより高機能なものに切り替わっています。当然、最新のものは大きく改良されていると思いますので、参考までに。


(4)HP-48GX

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 全体的には同時期の32sII17BII などと同じような材質、構造です。これらを大きくしたという感じ。
 操作の考え方も32sIIと同じような感じですが、拡張されてキーボードに入りきらない機能はメニューで呼び出すような考え方になっているので、パッと計算したいときも、あまり使わない機能を呼び出すときも、あまり考え込むことがありません。
 従来の関数電卓をその概念のまま、進化させていくとこういう感じになるといった感じでしょうか。
 17BIIと同じく、最上段のキーはファンクションキーになっており、その画面で適宜機能が割り当てられます。これは、複雑になった装置の操作で分かりやすい操作をする良い方法だと思います。

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 基本的には従来の関数電卓と同じで、一つの数字を入れてそれを演算していきます。数式エディタもありますが、基本的には数式を入れて一気に計算するということはあまり想定されていないような感じがします。汗
 次回、TI-89のときに詳しく行きますが、次のような行列を計算してみます。
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 まず、MATRIXを押して、行列入力画面にし表計算ソフトの要領で入力します。

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 入力が終わると、次のように行列が一つのスタックに入ります。
 ここで、1/xを押すと次のように逆行列が出ます。一応、行列も扱えるという感じでしょうか。

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 グラフ電卓なのでせっかくですから、グラフ音譜も書いていただきましょう。
 グラフはご覧のとおりグラフモードにして諸元を入力してから描画させます。

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 ここで便利なのは、X,Yトレースが付いているところです。トレースモードにすれば、線に沿って数値が表示されます。これって普通についている機能なんでしょうか!?

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 つづいておなじみSOLVEですが、数式と変数が一覧できるという点で、32sIIや35sクラスのものよりは使いやすいかもしれません。このクラスですから本当はもう一工夫がほしいところではあります。


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(まとめ)
 48GXはキーボードに割り当てられた機能で計算する既存の電卓の操作性と、拡張された機能はメニューで選ぶという複合的な操作方法で、当時のHPの意欲作であったと思います。
 この操作性はなかなか良く、基本的な関数はいちいちメニューや最小限のキーの押し下げ回数で計算することが出来ます。
 メニューから呼び出す機能にしても比較的分かりやすく使うことが出来ます。
 しかしながら、分かりやすくということと慣れたあとに効率的であるというのは別物です。分かりやすい操作がかえって非効率的なインターフェースになることもよくあること。ダウン
 この点、HPは良く使う機能はキーで、あまり使わない機能はメニューでという方法をとっています。
 また、この48GX、当然、RPN入力の機種なのですが、スタックが無限(多分・・・あせる。4段ではないです)です。これはネストが多い数式では便利かもしれません。このスタックには1段に数式やら、上記行列やら様々なものが入るので、使い様によっては高度な使い方も出来るような気もします。


 さて、でもこの48GXは常用するには大きな問題もありますビックリマーク
 全般に48GXは動作というか、レスポンスが遅いのです。計算自体は電卓としては遅くはないのですが、キーを押してから次の入力までが遅いのです。下手をすると足し算をバシバシするだけで砂時計が表示されてしまいます。砂時計
 ですので、キーボードに出ていない機能を呼び出して使うのが少し億劫です。グラフもかなり遅いので、グラフ電卓全般にいえますが実用性は疑問です。
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 以上、HP-48GXでした。


 次回はTIです!