35sの前の機種32sIIです。
年数がたつと壊れます。(長年使ったので当たり前かも知れません)
(3)HP-32sII (の修理)
今は機能的には同等以上の35sが販売されているので、これを取り上げる必要は小さいのですが、表示とか、キーの配置に慣れているとかで使い続けている方もいるかもしれません。
で、問題なのが、長く使っていると、32sIIってキーが接触不良になるんです。
しかも、そこまでしなくてもと思うくらいに手間をケチって作っているものなので、分解修理も容易ではありません。
接触不良の原因はケースの上と下のカシメが弱くなってきて、キーボードと基板の導電スポンジ製のジョイントが緩むためです。この場合、液晶の下の辺りを押さえながらキーを押すと正常に動作するので確認できます。
しかし、ネジで留める設計のところをプラスチックを溶かして繋いでいるため、まともに分解することが出来ません。
機能を回復するには内部の導電スポンジに一定の圧力がかかるようにすることです。
以前やったことなので、写真等はありませんが、参考までに手順を記載します。
①キーボードの金属カバーを外す(粘着テープで貼られています、曲がりやすいです、慎重にしないと曲がります、というか多分曲がります)
②溶着でカシメられている電池ボックス内と、①の表面カバー裏のところをドリルビットをピンバイスに付けたものなどで慎重に薄く削り取って分解します。(少しだけです)
③LCDの下の接点部を清掃し、粘着シートのついた薄いフェルトなどで枕を付けて圧力がかかるようにします。
④組み立ててドリルで削ったところを皿頭ねじのφ2xL5かφ2xL4で固定します。(②で少しでも削りすぎてしまうとこれができなくなります)
⑤外していたキーボードの金属カバーのもともとの糊を綺麗に洗い落とし、強力両面テープを前面に張りなおして貼り付けます。(キーの穴がたくさん開いているので、それに合わせた形で両面テープを作っておきます)
結構面倒くさい上、工具(ピンバイス、ビットひとそろえ、0か00くらいの+ドライバー、ほか)や、材料が一通りある前提で、さらに思い出の品を傷つけることにもなりかねませんので、この修理、ぜんぜんお勧めしません。
私の場合は、HPがRPNの小型関数電卓を作らなかった時期で、やむを得ず、修理をしました。
いまなら、35sが出ているので、新しいのを買ったほうが良いと思います。