天王洲・銀河劇場へ行ってきました。
「組曲虐殺」(原作:井上ひさし)という怖そうなタイトルで
かなりぎょっとしましたが、
井上芝居は、いつもどこかに、
ぷっ、と笑いをはさんでくれて、和みます。
演出の力というより脚本の力ですね。
http://www.gingeki.jp/index.html
井上芳雄
石原さとみ
山本龍二
山崎一
神野三鈴
高畑淳子
演奏:小曽根真
<スタッフ>
作:井上ひさし
演出:栗山民也
音楽:小曽根真
主催:こまつ座・ホリプロ・テレビ朝日・銀河劇場
「蟹工船」で知られる小林多喜二の生涯を
シリアスにコミカルに描き出す。
栗山演出によく見られるリアルすぎる表現が少なく
井上脚本の前に、細かくきちんとに変貌していて、
素敵な舞台になっていました![]()
暗い人生、重い人生を語っているのに
あっちこっちで笑いがもれるのが救いとなっています。
小林多喜二役は井上芳雄さん。
今までの貴公子ぶりがウソのような、あまりに普通の青年像。
地下組織を作るのだから普通とはいえないけれど
等身大で同世代の若者像を魅せてくれました。
スーツ姿やマント姿、いろんな芳雄さんを観てきたけれど
今回の浴衣姿は驚くべき発見でした。
なんだか似合っていて、普通の青年なんだもの。
初めての日本名の役柄でしたしね。
(少しおじさんっぽくみえて、心の中でちょっとおかしかったり)
追いかける特高刑事にも作者は笑いを繰りこんでいる。
山本龍二さんと山崎一がうまいんだなぁ![]()
「恋人と女房の間」の関係の、
田口瀧子役の石原さとみさんが可愛い。
若手実力派といわれるだけあって、本当にお上手でした。
純真に多喜二を愛している姿が切なくなるほど。
多喜二の姉、佐藤チマ役の高畑淳子さん。
もう何をやっても笑いを巻き起こす![]()
多喜二のすべてを知っている自信に満ち
姉として世間を教えようとする姿に
寒村の女の強さや純真さを見る思いが…。
全編着物姿で、私はそれに見入ってしまいましたわ。
昭和の香りがする衣裳はごちそうでしたね。
地下活動を支える伊藤ふじ子役の神野三鈴さん。
井上芝居の常連で私の好きな女優さんのひとり。
今回もとても素敵でした。
表情豊かで芯が強い感じがにじみ出て。
活動の同志という結びつきながら、
しっかりもので女性的で、
多喜二の理想の女性像だったのですね。
観客にそうした想像ができるように描かれています。
井上芝居の特徴である「音楽性」が
今回は小曽根真さんのピアノで盛り上げてくれた。
舞台の一段高い所から
色々な曲想でずっと
生演奏
が奏でられる。
これは台詞劇において、もっとも贅沢なご馳走でしたわ![]()

