みなさんのおうちでは、お嬢さんは自分のことを何と呼んでいますか?
わたしの娘は、家では名前で、学校では「ワタシ」と「アタシ」の間くらいの発音で「私」と呼んでいるようです。
数年前、10人ちょっとの高3選択クラスで、家で自分を何と呼んでいるかという話題になったとき、全員が名前でした。
その子たちのほとんどが、学校では自分を「うち」と呼んでいました。
思えば10年くらい前、少女たちが自分のことを「うち」と言い始めたときの違和感といったら、なかったですよ。
そもそも、「うち」っていうのは、自分の所属を背後においたときだけ、一人称として成り立つんです。
「うちの学校」「うちの部活」「うちの家」のかわりに、「うちはね」という風に。
それが独立した一人称として使われているから、最初は、とまどったものです。
「このノート、だれの?」
「あ、うちの」
「教科書読んでくれる人~」
「うちが読む」
10年たっても違和感は消えず、その間、娘には、「自分のこと『うち』って呼んだら、親子の縁を切る」と言っていたので、娘はいちども「うち」と呼ぶことなく、今日まで来た。
そしたら最近、かなり多くの生徒が自分のことを「自分」と呼び始めていることに気づき、びっくり。
娘に聞くと、クラスでも「自分」と呼ぶ子がけっこういる、と。
運動部の子を中心に、ちゃらい感じの子も「自分」って…。
女の子の一人称史上、これは、初めてのケースですよ!
昔、わたしが中学生のころだったか、女の子が自分のことを「ボク」というマンガが流行り、「ボク、高校のいま2年生~」のような曲まで流行り、クラスのうちの数人が、一人称の「僕」を使っていた。
わりとすぐ、廃れちゃったけど。
ちなみに、今や、いろんな意味を付加されてしまった「おたく」だけど、わたしが高校生のころは、まさにアニメ好きの子が二人称として、よく「おたく」を使っていた。
これも、人間関係が微妙に照れくさいタイプの子が、「うち(のコレクション)」と対になる「おたく(のコレクション)」として使っていたものではないかと思う。
そういう子の一人称は、何だったかなぁ…
あ、あまり親しくない人と話すとき、相手を「おたく」と呼ぶのは、普通の子でも、あった気がする。
思春期の女の子が、「私(あたし/わたし)」を使わないのは、女性として成長していく自分にとまどうせいなのかな、と、わたしは分析している。
あるいは、曖昧表現が丁寧であるという、最近の風潮のせいかもと思っていたのだけど、「自分」の流行で、やっぱり女性性の否定なんだと確信した。
このあいだ、中高生の流行は廃れていくときには、下の世代に伝播していると書いたけど、今や、小学校低学年や幼稚園の年長くらいの子も、自分を「うち」と呼ぶので、生意気な感じで、笑っちゃう。
あれは、家族以外の人にも、自分のことを名前で呼ぶということの違和感に気づいたせいなのかも、と思っている。
驚く人もいるかもしれないけど、高校生になっても、学校で自分のことを名前で呼ぶ子が、けっこういる。
前の学校では、クラスで2~3人。中学生だと、もうすこし多い。
だいぶ慣れてくると、先生の前でも、自分を名前で呼んでしまうのだ。
「今、名前で言ったよ」と指摘すると、びっくりする子も多い。無意識らしい。
今のところ、短大では、耳に入ってくるのは「うち」かなあ。
わたしに話すときには、さすがに「私」が多いけど、提出物を出せない子の中には、「うち」という子も、ちらほらいる。
さすがに、わたしの前で、自分を名前で呼んでる子には、まだ遭遇していないけど、ちょっとやばそうな(呼びそうな)子も、何人かいる。
高校を卒業したら、友だちどうしでも、自分のことは「私」と呼ぶようにした方がいいよね。
使い慣れていないと、必要なときに、ちゃんと言葉が出てこない。
いつまでも「うち」じゃ、教養のなさが露呈されてしまう。
今、「自分」の子たちが、高校を卒業したら、どうするのかなぁというのは、ちょっと興味深い。
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わたしの娘は、家では名前で、学校では「ワタシ」と「アタシ」の間くらいの発音で「私」と呼んでいるようです。
数年前、10人ちょっとの高3選択クラスで、家で自分を何と呼んでいるかという話題になったとき、全員が名前でした。
その子たちのほとんどが、学校では自分を「うち」と呼んでいました。
思えば10年くらい前、少女たちが自分のことを「うち」と言い始めたときの違和感といったら、なかったですよ。
そもそも、「うち」っていうのは、自分の所属を背後においたときだけ、一人称として成り立つんです。
「うちの学校」「うちの部活」「うちの家」のかわりに、「うちはね」という風に。
それが独立した一人称として使われているから、最初は、とまどったものです。
「このノート、だれの?」
「あ、うちの」
「教科書読んでくれる人~」
「うちが読む」
10年たっても違和感は消えず、その間、娘には、「自分のこと『うち』って呼んだら、親子の縁を切る」と言っていたので、娘はいちども「うち」と呼ぶことなく、今日まで来た。
そしたら最近、かなり多くの生徒が自分のことを「自分」と呼び始めていることに気づき、びっくり。
娘に聞くと、クラスでも「自分」と呼ぶ子がけっこういる、と。
運動部の子を中心に、ちゃらい感じの子も「自分」って…。
女の子の一人称史上、これは、初めてのケースですよ!
昔、わたしが中学生のころだったか、女の子が自分のことを「ボク」というマンガが流行り、「ボク、高校のいま2年生~」のような曲まで流行り、クラスのうちの数人が、一人称の「僕」を使っていた。
わりとすぐ、廃れちゃったけど。
ちなみに、今や、いろんな意味を付加されてしまった「おたく」だけど、わたしが高校生のころは、まさにアニメ好きの子が二人称として、よく「おたく」を使っていた。
これも、人間関係が微妙に照れくさいタイプの子が、「うち(のコレクション)」と対になる「おたく(のコレクション)」として使っていたものではないかと思う。
そういう子の一人称は、何だったかなぁ…
あ、あまり親しくない人と話すとき、相手を「おたく」と呼ぶのは、普通の子でも、あった気がする。
思春期の女の子が、「私(あたし/わたし)」を使わないのは、女性として成長していく自分にとまどうせいなのかな、と、わたしは分析している。
あるいは、曖昧表現が丁寧であるという、最近の風潮のせいかもと思っていたのだけど、「自分」の流行で、やっぱり女性性の否定なんだと確信した。
このあいだ、中高生の流行は廃れていくときには、下の世代に伝播していると書いたけど、今や、小学校低学年や幼稚園の年長くらいの子も、自分を「うち」と呼ぶので、生意気な感じで、笑っちゃう。
あれは、家族以外の人にも、自分のことを名前で呼ぶということの違和感に気づいたせいなのかも、と思っている。
驚く人もいるかもしれないけど、高校生になっても、学校で自分のことを名前で呼ぶ子が、けっこういる。
前の学校では、クラスで2~3人。中学生だと、もうすこし多い。
だいぶ慣れてくると、先生の前でも、自分を名前で呼んでしまうのだ。
「今、名前で言ったよ」と指摘すると、びっくりする子も多い。無意識らしい。
今のところ、短大では、耳に入ってくるのは「うち」かなあ。
わたしに話すときには、さすがに「私」が多いけど、提出物を出せない子の中には、「うち」という子も、ちらほらいる。
さすがに、わたしの前で、自分を名前で呼んでる子には、まだ遭遇していないけど、ちょっとやばそうな(呼びそうな)子も、何人かいる。
高校を卒業したら、友だちどうしでも、自分のことは「私」と呼ぶようにした方がいいよね。
使い慣れていないと、必要なときに、ちゃんと言葉が出てこない。
いつまでも「うち」じゃ、教養のなさが露呈されてしまう。
今、「自分」の子たちが、高校を卒業したら、どうするのかなぁというのは、ちょっと興味深い。


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