その後、

わたしが大学院を修了するとともに一度京都の家を引き払い

家業を継ぐため地元に戻って色々と準備を整えることになりました。

 

私の地元は京都から新幹線で数時間の距離だったのですが、

主人は月に2回、

多い時には毎週のように私に会いに来ていました。

往復の交通費だけでも数万円。

金銭的に大丈夫なのか疑問もありましたが、

毎回グリーン車に乗り、

ホテルも良いグレードのところを取っていたので

当時主人は一応経営者のはしくれだったこともあり

それほど気にすることはありませんでした。

 

わたしが地元に戻って半年程経った頃、

主人が頻繁に結婚したいと言ってきたり

ゼクシィを買ってきたりしていたので

どうしたんだろうと思っていたら、

聞けばどうやら父親の経営する会社が

取引先のひとつから切られた為

事業が建ち行かなくなったということでした。

その為、

(今思えば)主人は結婚に逃げようとしていたんですね…。

 

その後も

主人と主人の父親は会社が崩壊するのを止められず、

ついに会社は3期も迎えることなく潰れてしまいます。

 

主人は主人の父親の計らいで

知り合いの経営する会社で働くことになります。

 

そして、

わたしたちふたりは

わたしが26歳のクリスマスイブに婚約します。

 

側から見れば無謀な行為だと思われても仕方ありませんが、

わたしの父親も会社を経営しており

主人が無職になったとしても食うには困らないし、

いざとなったら

主人にもうちの会社で働いてもらえばいいやなんて

当時は軽く思っていました。

 

婚約指輪はふたりで大丸京都店で選んだヴァンクリでした。

 

本当に綺麗な指輪で

はじめて指に通した時は胸がいっぱいになり

好きな人と共に人生を歩んでいけるという幸せから

涙が溢れ出ました。

 

→続く