手術台に横になりました。

しつこくまた聞いてしまいました。

自分「尿管カテーテルは無しですよね?」

仰向けの僕に医者が話しかけてきました。とても優しい口調。マスクと手術用帽子を被ったその医者は初めてお会いする医者だったと思います。

とても優しい口調で語りかけるように言われました。

医者「あのね手術中は尿管カテーテル無しってのは出来ないんですよ、どうしても怖いと言うなら麻酔が覚める前に抜きますから」

自分「はい、わかりました(やっぱ無理か…)」

もう、素直に従いました。結局この医者は誰だったのか手術後に看護師数名に聞きましたが分かりませんでした。麻酔科医?違う気がします。

口に酸素マスクを付け、呼吸の練習をしますとその医者に言われました。

自分「すうー、はあー、すうー、はあー、あのちょっと苦しいです…」

そこで医者が看護師に何やら指示を出しました。

そこから記憶がありません…。










看護師「〇〇さ~ん、奥さんですよ~」

その声で目が覚めました。目の前に妻の顔がありました。後日談では僕は妻に何かを指さしたそうです。記憶にありませんが。そしてまた眠りました。

目が覚めたのは午後、昼下がり。14時くらいだった気がします。

いつのまにか自前のトランクスから紙オムツに着替えさせられていました。

鼻には管。そして点滴。痛み止めの点滴も流れていて、腹部全体が痛い。強い筋肉痛のような痛みです。体勢を変えるとズキンと痛むので仰向けから身体を動かせません。

戸惑っているとズキーンと腹部のどこかは言えないけど痛み、ナースコールをします。



看護師「どうされましたー?」

自分「い…た…い…」

看護師「今向かいまーす」

声が出ない!手術中に気管に管を通していたからか(記憶には無い)、鼻に管が入ってるから口呼吸になっているからか、しばらく水を飲んでいないからか、喉がカラカラ、唇パサパサ、腹筋に力が入らないし。

看護師が点滴に痛み止めを投与するとすぐに落ち着き、しばし眠ります。

痛み止めは何種類かあると看護師は教えてくれました。連続で同じ痛み止めを投与できないから数種類を併用して処置してくれました。

「い…た…い…」と訴えて痛み止めを投与してもらってを繰り返している間はあまり記憶がありません。

夕方5時くらい、尿意をもよおしました。尿管カテーテルはもう希望通り抜いてもらっていたのでオムツの中で出さないといけません。

出ません。したいのに出ません。

尿瓶をセットしてもらったりしましたが出ない!

だんだん焦ってきて膀胱がパンパンになってきて、辛くなって看護師に相談しました。どうしても出ないならカテーテルよりは細いですが、管を通して排尿する処置があるようです。

痛みを伴うようです…。それはどうしてもできない、怖いと訴えると、男性看護師が来てくれて、個室なのでトイレも近くにあり、そこまで連れて行ってくれました。6時30分。

僕より10歳以上歳下の看護師です。恥ずかしいとかどうこうより早く排尿しないとパンパンで辛かったです。

立ちションはまだ出来ないので、オムツを下ろしてくれて、便座に座りました。

お願い出てくれ…

ちょろちょろ…

激痛で腹筋が使えないので勢いはありませんが、出てくれました。本当に看護師に何度も感謝しました。その後も2~3回の排尿時にお手伝いしてくれました。

水分は経口ではとれない状態ですが、点滴をしているので排尿は普通通りあるようです。

その後もベッドの上で痛みは続きます。動かせる身体の箇所は左手だけ。左手で何度も額の汗を拭いました。髪の毛も汗を常にかいているので脂でギトギトしています。

夜中まではずっとしんどい状態でした。

少し正気に戻りました。当日の夜11時過ぎでした。左手でスマホを取り時間を確認しました。

みんなに連絡を…と思うと、母からハイテンションなラインがありました。「よく頑張ったね」みたいな絵文字いっぱいの。


父からは「職場の〇〇さんに無事終わった事を電話しなさい」とライン。




そんな余裕は無い…💦




妻からは短いラインが来ていたのでスタンプで返しました。まだ返事をうてるような力もないし、精神力もありませんでした。ただ安心してもらう為にスタンプしました。

そこからはまた痛みとの戦いで何度もナースコールをして、痛み止めを投与してもらい、また少し寝るの繰り返し。



看護師に水分をとりたいと伝えると、明日(8日)からとれると言われて少し安心しました。相変わらず口の中はパサパサでした。

この夜は排尿の恐怖(トイレまでが痛い)、しゃべれない、そして傷口がズキンズキン痛む、その3つに苦しめられました。