小春日和カサカサの指の隙間から色々なものがこぼれていくけど、だいじなものはなくしてない。ほんとうにだいじなものは実はたいしてないから。誰にもわからないようにしのばせてあるから。冬空にこっそりと積乱雲。満月が低い場所から黄色く照らす。内緒だよ。誰にも教えないんだ。ひみつにしておきたいから自分でも忘れよう。まるでなかったことみたく。汚さないためにはそこまでしなきゃ。もうこれでだれも傷つかない。