ピーターラビットの故郷をめぐって

 

Walking with BEATRIX POTTER 

 

著:北野 佐久子

 

2013年4月30日 初版第1刷

株式会社大修館書店

東大阪市図書館より貸出

 

英国、湖水地方におけるピーター・ラビットの作者、

ビアトリクス・ポター所縁の地を紹介した本です。

ほとんどが湖水地方ですが、

ウェールズなど他のポター所縁の地も取り上げられています。

 

ニア・ソーリー村の絵本のモデルになった場所や

ポターが過ごした土地が解説されます。

著者が実際に全て足を運んでおり、

旅行記としての一面もあります。

ポターを巡る旅をしたい人には

ガイドブックとしても有効です。

著者が会ったポターに実感会ったことのある

ニアソーリー村の住民の声を知ることができます。

ポターのエピソードが沢山知れて、

ポターやピーター・ラビットファンには必読の本です。

装丁も美しい仕上がりです。

 

私はウィリアム・モリスの影響の話が興味深かったです。

モリスがデザインしていた壁紙をポターは使用していました。(p.48)

また著者はモリスもポターもその芸術の根源は

身近な自然であったと述べています。(p.49)

やはりポターはラファエル前派の流れを

受け継ぐ作家だと思われました。

 

著者は日本のポター研究の第一人者、

吉田新一氏に師事しており、

ポター・ソサエティの会員でもあります。

先行研究も踏まえつつ、

自分が実際に訪れた感想や写真を掲載することで、

非常に読みやすい、手に取りやすい本になってます。

 

 

 

湖水地方についてもっと知りたい方にお薦めの本もあります。