BEATRIX POTTER’S GARDENING LIFE

 

ピーターラビットの絵本の風景

The Plants and places 

that inspired the classic children’s tales

 

著:マルタ・マクドウェル(Marta McDowell)

訳:宮木 陽子

 

Originally published in 2013, the USA by Timber Press

 

2016年11月 初版第1刷発行

西村書店

東大阪市図書館より貸出

 

読了しました。

ピーターラビットの作者、ポターの

園芸家としての一面を描いた本です。

三部仕立てになっています。

 

第一部は園芸に重点を置いたポターの人生についてです。

植物になぞらえ、各章は発芽期、分枝期、開花期、

定着期、成熟期、結実期という名前がついています。

 

第二部は湖水地方にあるポターの

ヒルトップの庭模様を四季毎に記しています。

花や植物の園芸の知識や

ポターの庭作りのエピソードが紹介されています。

写真やポターが描いた絵も沢山記載されています。

 

第三部は湖水地方を中心に

ポター所縁の土地を巡っています。

実際に旅する人に向けた

トラベルガイドの側面があり、実用的です。

 

巻末にはポターの本に出てくる植物が

作品毎にまとめられたリストがあります。

またポターが手紙で触れている

植物のリストも付随しています。

 

一番興味深かったのかポターの交友関係です。

彼女にはエレノア・ルイーズ・チョイス、

通称ルース・チョイスいう友人がいました。

ルースは当初はヒルトップ農場で

庭仕事の手伝いとして働いていましたが、

辞めてからもポターとの付き合いは続き、

生涯の友人でした(p.115-116)。

 

プロの園芸家ゆえ、その庭の植物への

詳細な説明に圧倒しますが読みやすい文体です。

そしてイラストや写真も多くてビジュアルも楽しめます。

ピーターラビットシリーズのファン、

ポターについてより知りたい人

イギリスの園芸に関心がある方にお薦めです。

 

 

 

ポターが描いたキノコの絵についての研究書です。

ポターの自然への観察眼の凄さが感じられます。