『体育館の殺人』
青崎 有吾 著 創元推理文庫
“平成のエラリー・クイーン” 衝撃のデビュー作。
第22回鮎川哲也賞受賞作。
【内容(「BOOK」データベースより)】
風ヶ丘高校の旧体育館で、放課後、放送部の少年が刺殺された。密室状態の体育館にいた唯一の人物、女子卓球部部長の犯行だと、警察は決めてかかるが。卓球部員・梅乃は部長を救うために、学内一の天才と呼ばれているために、学内随一の天才と呼ばれている裏染天馬に真相の解明を頼んだ。アニメオタクの駄目人間に――。 “平成のエラリー・クイーン”が単行本版より大幅改稿で読者に挑戦!
〈裏染天馬〉シリーズ1作目である『体育館の殺人』
初めての作家さんなので、読むのが楽しみ。
好みの作品なら2作目3作目と読むつもり。
タイトル通り、風が丘高校の旧体育館で起きた殺人事件で、“裏染天馬” の謎解きを楽しめる内容だ。
探偵役の二年生裏染天馬の設定が面白い。
どういう事情なのか本作では明かされなかったが、校内の使われていない一室に住みついているという設定。
学内で知っている人間は同じく二年生新聞部の向坂香織のみ。
そんな天馬の活躍が読みどころとなる。
四章で全てのヒントが出そろい、五章が解決篇となり、エピローグに続くという構成。
四章と五章の間には幕間となり、作者から<読者への挑戦>のページが挿入されている。
よくあるパターンだ。
犯人の名前と密室の謎の真相を言い当てていただきたいと作者は挑戦する。
ここまで読んでも皆目私は分からない。
なにせ登場人物が多すぎる。
卓球部、演劇部、生徒会役員たち、放送部、帰宅部、吹奏楽部、新聞部等の生徒がそれぞれ複数人いる。
20人以上はいるかな。
その中から犯人と言われてもなー。
しっかり読んだけど、アリバイに関してもだんだん分からなくなるし、時間系列も前に読んだところが曖昧になってきて、頭がこんがらがってくる。
こうなったら、天馬君の謎解きを頼るしかないね。
というわけで、天馬君、大人を小ばかにしたような癖っぽい性格が小憎らしいけど、頭は切れる。
事件は解決、警察も天馬には一目置くようになる。
これからも協力をお願いしたいと警部に頼まれた天馬、報酬は現金ということで一人暮らしの彼はその提案は超うれしいので即OK。
お金に目のない天馬。これも珍しい主人公キャラだよね。
そこで物語は解決かと思ったら。
エピロークで、驚きの真相が…
と、まぁ、そうなんだけど、なんだかなー。
私は、このエピローグはない方がいいと思うんだけど。
ちょっと無理無理で不自然な気がする。
この本を読んだ人、このエピローグどう思ったか教えてね。