『8つの完璧な殺人』
ピーター・スワンソン 著 創元推理文庫
すべて著者が仕掛けた罠。
〈このミステリーがすごい!〉第2位!
『そしてミランダを殺す』の著者が贈る、
名作ミステリーへの見事なオマージュ!
【内容(「BOOK」データベースより)】
雪嵐の日、ミステリー専門書店の店主マルコムのもとに、FBI捜査官が訪れる。マルコムは10年ほど前、もっとも利口で、もっとも巧妙で、もっとも成功確実な殺人が登場する犯罪小説8作を選んで、ブログにリストを掲載していた。ミルン『赤い館の秘密』、クリスティ『ABC殺人事件』、ハイスミス『見知らぬ乗客』、アイルズ『殺意』……。捜査官によると、そのリストの“完璧な殺人”の手口に似た殺人事件が続いているという。犯人は彼のリストに従って殺しているのか? 著者のミステリーへの愛がふんだんに込められた、謎と企みに満ちた傑作長編!
この本を読み始めたのは2月末。
そして、昨日4月2日に読了。
なんと1か月以上かけている。
というのも、ある事情で読書時間が取れない状態なので、昨日病院での待ち時間で読み進め、帰りの電車の中で読了。
時間をかけすぎての読書のせいではないと思うが、好みの作品ではなかった。
全編を通してイジイジした内容が、どうしてものめり込めなかった。
主人公がブログに載せた “完璧な殺人” のリストに似せた殺人が連続して起こる。
主人公も疑われていると自覚する。
そして主人公には何か隠していることがありそうな描写。
FBI捜査官グウェンの人物像と主人公マルコムとの関係も中途半端な描き方で消化不良。
8つの完璧な殺人として載せたリストは次の通り。
①『赤い館の秘密』 A.A.ミルン
②『殺意』 アントニイ・バークリー・コックス(邦訳はフランシス・アイルズ)
③『ABC殺人事件』 アガサ・クリスティ
④『殺人保険』 ジェイムズ・M・ケイン
⑤『見知らぬ乗客』パトリシア・ハイスミス
⑥『溺殺者』 ジョン・D・マクドナルド
⑦『死の罠』 アイラ・レウィン
⑧『シークレット・ヒストリー』 ドナ・タート
本書は犯人のネタバレをしているので、読んだことのある人には、ハハーンとなる。
私が読んだのは半分くらい。
ただ、どれも都合の良いように解釈して、殺人と関連付けているふしもある。
最後にこの8作品とは違うアガサ・クリスティの作品が出てきて、人を食ったように思えるのは私だけか。
最後はそうなるのでは思ったらその通り。
ちょっと馬鹿にされた感アリ。
というわけで、長々時間をかけて読んだ罰だったか。